「言語・認識・表現」第21回年次研究会(案内)

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研究会の案内を行います。関心のお持ちの方は下記の案内を読んでください。


「言語・認識・表現」第21回年次研究会

 

日時  2016年11月26日土曜  AM10:15~PM6:45

会場  東京都千代田区役所図書館 9F 第1第2研修室

 http://www.library.chiyoda.tokyo.jp/facilities/chiyoda/

事前登録・参加費なし ご参加の方は佐良木まで saraki@st.rim.or.jp

10:15_10:20

研究会主査 あいさつ

10:20_11:20
「言語表現を支える諸関係」小川文昭(明治学院大学)

われわれは内面の意思を外部に伝える場合、指差しなどの行為によることもあるが、多くは、意思の内容そのものを音声や文字の形に写す言語表現によっておこなう。表現という行為は人の内面の意思に対する対象操作的な行為であり、特に言語にはそのための複雑な約束事がある。その約束事には、指差しなどの単純な指示行為における行為をめぐる諸関係が普遍的に捉え返されて含まれている。詞辞の構造の意味はここにある。

 

11: 20_12: 20

「言語過程説と綜合言語学の構築」仮題 庄司章フリー(元小学校長)

 1.綜合言語学とは何か 精神的生産論を基に綜合言語学を構想する。

 2.綜合言語学と歴史的=論理的方法 ヘーゲル歴史哲学=史的言語学を提示する。

 3.アリストテレス哲学と英文法 英文法をアリストテレス哲学的に解明する。

 4.近代語と表現市場

 

12: 20_13:20 昼休憩

13:20_14:20

「送仮名の本質と送仮名法の原則」 上田博和(国語国字協議会)

「曲る」は「曲げる」と同じく「活用語尾を送る」原則通りの送仮名だが、戦後の送仮名法では「曲がる」と規定され(「曲る」を許容し)た。これによつて「曲がる・曲げる」の振仮名がどちらも「ま」となるが、これを「漢字の読みを一定にし送仮名を合理化する」と見る学者が昔も今も存在する。インターネットで検索すると、『曲り角の日本語』といふ書名すら『曲がり角の日本語』に改変されてゐる。本発表では、送仮名の本質と送仮名法の原則について、諸家の見解を吟味する。 

14: 20_15: 20

「英語表現分類体系の構築」宮崎正弘(ラングテック)

既に構築済みの日本語表現分類体系をベースに英語表現を最大6階層に分類・体系化し、末端の分類項目に中学・高校で学ぶ英文法項目を網羅した日英対訳例文集(コメント付)を配置した英語表現分類体系を構築した。英語と日本語の文構造・表現の違いやその背後にある発想法の違い等を理解できるように、主な文法項目毎に、日本語学・英語学・翻訳論の成果や長年取り組んできた機械翻訳の研究・開発における経験なども適宜取り入れた「解説、まとめ」を記述している。本発表では、本体系を表示するツール等を組み込んだ英語学習支援ツールを動作させながら、本体系について紹介する。

 

15:20_15:30 休憩

 

15:30_16:30

「情報文としての英語文の分類―日本文の文脈解釈を掬い上げるために 」岩垣守彦(ALR

母語の場合,言外にどのような情報が埋め込まれているかなどは意識しません.しかし,異言語に等価変換する際には,母語に関する無意識の解釈を意識的に掬い上げなければなければなりません.名詞は情報の主要部分(主体・客体・時・場)のすべてに関わり,動詞は現実の時間との関係に関わります.したがって,文脈情報は英語の名詞や動詞や語り口で処理できる可能性があります.そこで,英文を情報文として分類して,日本文の解釈を定型化できるか探ってみます.

 

16:30 17:30

「時間・空間視点に基づくポストモダン絵本の分析 ‐日本型クリティカルリーディングの可能性‐」上野康治(同志社大学),高橋一夫(常磐会短期大学),金田重郎(同志社大学)

 ことばによって何かの意味を表現する際,主語・目的語となる対象物が有する物理的サイズ,および対象物相互の空間的位置関係が,現実社会から見て合理的であることは当然の要求であろう.そこで,本稿では,最初に,英語の文章の主語・目的語の関係を分析する.次に,物語や絵本を対象として,登場人物(必ずしも生物に限定しない)の空間的位置・時間的サイズの相互関係をモデル化する.具体的には,著名な物語・絵本に対して,時間的・空間的関係を分析する.その結果,1) 従来型の物語は,時間的推移や位置関係が明確な構造を持っているのに対して,2) 現在人気が高いポストモダン絵本「バムとケロシリーズ」「100かいだてのいえシリーズ」では,家族性のみが強調され,社会との対決との従来型物語の視座が弱い,ことが示された.この分析から見る限り,ポストモダン絵本は「と書き」の通りに読み聞かせる絵本ではない.親子の対話のなかで,絵本から種々の解釈(サブストーリ)を生成し,幼児が「文脈の中でことばを知る」プロセスとするべきである.しかし,現状のポストモダン絵本では「ヤメピを探し回るだけ」のサブストーリに限定されてしまう.以上の考察からは,日本文化に合致した,「動きを追いかける中で,絵によるクリティカルシンキングが実現される」,新たなポストモダン絵本の出現,及び読み聞かせ方法論の確立が期待される.

17: 30_17: 35 休憩

17: 35_18:30

「浅い解析による俳句の意味への接近」 新田義彦日本大学

浅い解析(Shallow Parsing)とは,文を構成する字句あるいは語句を,その並びに沿って逐次走査し,簡単なラベル(語句識別子)を付与しつつ語句を分節する処理である.文の句構造や依存構造の認識には立ち入らない.このような単純さのゆえに,広範囲の文形の取り扱いが可能になり,解析に失敗(中断)が発生する率を微小に抑えられる.頑健性を入手した代償は,詳細正確な言語的知識,文構成情報は入手できないことである.それにもかかわらず、浅い解析処理により,俳句のような断片文の意味解釈に接近する可能性について検討してみたい.俳句のようにきわめて短い断片文には,元来,主語+補語,述語+対象,主体+修飾(限定),といったような完成した文構造が存在しない.したがって,句構造解析や依存構造解析を行う意義が希薄である.文の構造解析から意味の実体の入手ができないということは,文を構成する語句の基底に存在する辞書データベース(オントロジー)に頼らざるを得ないことを示唆する,本日の発表では,俳句の意味を辞書オントロジー(いわゆる俳句歳時記)を利用して形式的に導出する方法への接近の中間報告をしたい.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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