発足した。

2016-09-09

昨日の会議である資料の説明をすることになった。「この度、新しい委員会が発足して、、、」という風に語っていた。この「発足」のところで、ふと迷った。「ほっそく」と発音すべきか、「はっそく」と発音すべきか。自分は「はっそく」と発音したのだが、気になっていたのでネットで調べてみた。Yahoo 知恵袋を見ると以下のように記してある。

現代語としての「発足」は、組織・機関・制度などの活動の開始というほどのことを意味しています。そして、この場合の発音は、伝統的・規範的な発音としては「ホッソク」が行われています。
しかし、同時に、今日では「ハッソク」が盛んに行われているところを見れば、「ハッソク」を全く否認するわけにはいかないでしょう。そうかといって、現在のところでは、「ホッソク」に代って、「ハッソク」が現代語としての新しい標準的な発音になったとまでは言うことはできないでしょう。

結論的に言うと、「ほっそく」が正式だが、最近は「はっそく」という言い方が増えている。そんなところか。ところで、Yahoo知恵袋には、さらに次のように述べてある。

「発」には、漢音「ハツ」、呉音「ホチ」、慣用音「ホツ」があります。
「発意・発願・発起・発句・発作・発心・発端・発頭人・発熱」など、いずれも古くは「ホツ(ホッ)」でしたが、今日では「発意・発熱」などは、むしろ「ハツ」と言うのが一般的です。

なるほど。漢音と慣用音と2つあるようだ。NHKのアクセント辞典では、「ほっそく」しか載せていないそうである。つまり、新しい発音である「はっそく」は未だ認めていないようだ。

ところで、話は変わるが、よくラインなので学生からのメールは、「こんにちわ」「こんばんわ」と書いてある。今にそれが標準の書き方になるのだろう。そして、将来は、「私わ 昨日 銀座え 洋服お 買いに行きました」という書き方が一般的になるのであろう。

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春田勝久先生の思い出

2015-03-25

先日、研究者仲間(佐良木昌さん)が上洛してホテル・モントレーで私と打ち合わせをした。その時の相談の一つは春田勝久先生の残された資料をどのように活用するかという内容であった。

春田勝久先生は私どもの恩師である。英語表現学会の発表大会で知りあった仲間たちが、春田先生の研究に関心を持ち、いろいろと教えてもらいながら、研究の輪を広げていった。それは今から30年ほど前の話である。当時、ようやく普及し始めたメーリングリストを利用して活発な議論を繰り広げた。その中には、先般、電車の中で急逝された柴田勝征さんもメーリングリスト仲間であった。そのメーリングリストは「春田コーパス」と名付けて会員たちは情報交換をしあったものであった。

その頃、私は春田先生にパソコンの重要性を説いていた。これからの時代はパソコンを使っての研究が必要だからと一生懸命に説得したものであった。そのころの先生の発表は手書きの資料を配布して行っていた。先生と一緒に電機店に行き、パソコン一式を選んだあげたり、また先生のご自宅でパソコンの設定のお手伝いをしたことも懐かしい。

その頃で、すでに相当のお年を召されていたのだが、それ以来、春田先生は熱心にパソコンの使い方を勉強された。やがて、メールを使い始めご自身の資料をデジタルで管理されるようになった。

春田勝久先生は北陸地方の大学で教鞭をとられるかたわら、熱心に英語の本を読み、面白そうな語法を見つけるとカードに書き写していた。先生の40年以上の読書の中で作成したカードは数万枚以上になると思われる。項目ごとに管理されておられた。私は「形容詞の配列」というテーマで論文を書いている時に、先生からたくさんのカードをお借りして参考にしたことがあった。名詞をどのような順番で形容詞が形容するかという点で、先生の先駆的な資料収集はとても参考になった。

その後、先生の資料を基にして、参考書を執筆しようとの話が持ち上がり、佐良木さんと私が分担執筆をして、先生が全体的な監修することになった。この当時、先生はすでに胃瘻で栄養補給をされており、体調は万全ではなかったが、原稿全体に熱心に目を通してくださり、的確なコメントをたくさんいただいた。この執筆は数年がかりであったが、2010年に、『大学生のための英単語・文法ノート』として明石書店から発刊された。が、春田先生は発刊から数か月で他界された。先生の生きているうちにこの本がなんとか刊行されて、その点は良かったと思うが、先生が監修の作業をされたことで寿命を縮めたのではとも考えたりする。

2009年に、佐良木さんと私とで最後に先生の家に訪問した時は、先生はかなり痩せられていたが、元気で語法に関する自分の発見を我々に語ってくれた。当時はすでに胃瘻という形で栄養補給をされていたのだが、自宅の勉強部屋には語法に関する本をたくさん積まれて、相変わらず熱心に研究をされていた。その姿には鬼気迫るものを感じた。

先生の他界された後は、その資料一式は先生のご遺族の方のご好意で我々が譲り受けることになった。ひとまず、佐良木さんの自宅の研究室に置くことになった。その後、その資料、特に数万のカードをどのように活用するかという点で、佐良木さんとよく話し合いをした。現在のところは、私のブログの「資料紹介」の項目に「春田コーパス」として紹介してある。また、佐良木さんは、ホームページ「NPO 言語研究アソシエーション」にて、「公開言語資源」の一部として紹介している。

まだ、まだ春田先生の研究の一部しか紹介できていないので、ホームページやブログに上げながら、資料を整理整頓していく予定である。私が定年退職したら、かなり時間ができるので、先生のカードをスキャーに読み込んで、それをデジタル化したらどうかとも考えている。コーパスのデジタル化の時代にあって、春田先生のような手書きでコツコツと溜め込んできたデータは大変貴重なので、これをなんとか活かせるようにしたいと佐良木さんと私は努力している。

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to 不定詞の教え方

2014-12-15

今日は学生が研究室に来て、不定詞の見分け方に関して質問があった。名詞的用法、形容詞的用法、副詞的用法の見分け方であった。学生は医療関係の学科を専門とするので、英語を専門とする学生ではない。その場合、どのような説明が一番いいのだろうか。

to不定詞の意味や形に注目して、「〜すること」と訳すことができれば、名詞的用法である。To speak English is difficult. 「英語を話すことは難しい」I want to speak English. 「私は英語を話すことをしたい」と例をあげて説明した。

形容詞的用法だが、名詞を修飾する点に注目する。ただし、普通の形容詞は名詞の前から修飾するが、この用法では名詞の後ろから修飾する。その点で、すっきりと名詞を修飾すると理解し難い点がある。something to drink 「飲む何か」a house to live in 『住む家」などの例を示して、名詞の後ろか形容詞が修飾している点を示す。

副詞的用法が一番説明が難しい。副詞は形容詞を修飾するとか、文全体を修飾すると説明する。She was glad to hear the news. He went to the USA to study English. などの例文を示して、to 不定詞が glad という形容詞を修飾しているとか、He went to the USA. の文を修飾していると説明した。

これで学生は納得したようだった。ただ、肝心な部分、to 不定詞を、名詞的用法、形容詞的用法、副詞的用法に分けるといいのか、なぜそのように分けると英語の理解が高まるかの説明はできなかった。

今から考えると、次に述べるような説明をしたら学生の理解は高まったかもしれない。(1)動詞はいろいろな機能があり、名詞的な機能を示す時は動名詞(動名詞とは動詞と名詞が一緒になったことを示す名称)となる。(2)形容詞的な機能を示す時は分詞(分詞とは形容詞と動詞の機能を分けて持つ)となる。(3)動詞がいくらでも変化が可能な形が「不定詞」である。それゆえに、名詞的にも、形容詞的にも、副詞的にもと変化できる。(4)それゆえに、それらの機能を順次、調べることは to 不定詞の機能を網羅的に理解することであり、必要なことである。

学生は医療関係の学科を専攻するのであるから、深い専門的な英語の知識は必要としない。しかし、その場合でも、英語の文法を断片的でなくて、統一的に理解できるようになる必要がある。そのためには、どのような教え方がいいのか、どの程度まで教えたらいいのか難しい。

冠詞の使い方

2014-11-12

今日の英語の授業の時だが、大学の学長=president、小中高の校長=principal というような説明をしていた。中国からの留学生が中国では、小学校から大学まですべて「校長」と表現することを教えてくれた。ふーん。

この日は冠詞の使い方の説明を学生にした。冠詞、不定冠詞、ゼロ冠詞などでできるだけ統一的な説明をするように心がけてた。「聞き手と話し手が共通にそれである、あれである、と了解ができるもの」には定冠詞をつけるとか、聞き手と話し手が「それであると限定できるもの」には定冠詞をつける、などの説明である。そして、何とか説明をしていく。

機能に焦点が置かれる時はゼロ冠詞である、との説明もした。しかし、実際はそのような説明は無力であることが多い。to the memory of the singer, in memory of the singer のようにthe が付く場合と付かない場合がある。これはどのように説明をしたらいいのか。「そうであるから、そのまま覚えるように」というような説明は大学生になってくると納得しないのである。

ウイズダム英和辞典を調べると、write the address from memory, have a good memory for, in recent memory, to the best of my memory, Christmas memories, などいろいろある。冠詞が付く付かないに関しては統一的な説明が難しい。travel by car はいい。しかし、travel in his car がある。なんで in car とならないのか。このあたり、単純明快な説明がない。「法則の発見」は英語の学習では難しい。