登録外国人統計と在留外国人統計

在留外国人統計による数

在留外国人統計が法務省より発表されている。2017年6月末時点で、2,471,458人である。アジアからが、205万人であり、その中でも、中国が711,486人 韓国が452,953人 フィリピンが251,934人 ベトナムが232,562人である。その他には、ブラジルから185,967人が目立つ。(なお、台湾と朝鮮は別個に統計が取られている)

近年、増加が著しいのは、ベトナムとネパールであり、韓国籍は減少傾向にある。在留外国人数が最も多いのは,東京都の521,088人であり,全国の21.1%を占め、以下、愛知県、大阪府、神奈川県、埼玉県と続いている。 

在留外国人の定義

在留外国人等は何かということだが、その定義は法務省によれば、次のようになっている。要は、3か月以上在留する人を在留外国人と定義している。以下のように、中長期在留者、在留外国人、総在留外国人のように細分類されている。在留外国人統計は総在留外国人の数である。

中長期在留者

出入国管理及び難民認定法上の在留資格をもって我が国に在留する外国人のうち,次の①から④までのいずれにもあてはまらない者である。なお,次の⑤及び⑥の者も中長期在留者ではない。
   ① 「3月」以下の在留期間が決定された者
   ② 「短期滞在」の在留資格が決定された者
   ③ 「外交」又は「公用」の在留資格が決定された者
   ④ ①から③までに準じるものとして法務省令で定める者(「特定活動」の在留資格が決定された,台湾日本関係協会の本邦の事務所若しくは駐日パレスチナ総代表部の職員又はその家族)
   ⑤ 特別永住者
   ⑥ 在留資格を有しない者

在留外国人

中長期在留者及び特別永住者

総在留外国人

 在留外国人に次の者を加えたもの。
 出入国管理及び難民認定法上の在留資格をもって我が国に在留する外国人のうち,次の①から④のいずれかにあ
てはまる者
   ① 「3月」以下の在留期間が決定された者
   ② 「短期滞在」の在留資格が決定された者
   ③ 「外交」又は「公用」の在留資格が決定された者
   ④ ①から③までに準じるものとして法務省令で定める者(「特定活動」の在留資格が決定された,台湾日本関係
    協会の本邦の事務所若しくは駐日パレスチナ総代表部の職員又はその家族)

在留外国人と登録外国人の違い

2012年以前は、外国人の動向に関しては、入国管理局による出入国の際の情報把握と市区町村による外国人登録制度の二つを利用していた。しかし、他の市町村への異動の際に統計の漏れがめだつようになった。そのために入管法に基づくものに一本化して、外国人の動向を把握するようになった。この新しい在留管理制度の導入に伴って外国人登録制度は廃止された。

同時に、従来の外国人登録証明書は、あらたに在留カードになり、新しい在留管理制度の導入に併せて、住民基本台帳制度の対象に外国人住民が加えられるようになった。さらには、出国の日から1年以内に再入国する場合の再入国許可手続を原則として不要とする、みなし再入国許可制度が導入された。

二つの統計の違い

本質的には、二つの統計で示される外国人の数は変わらないが、新統計の方が、外国人が住所変更にした場合でも的確に人数を把握できるという違いがある。

 

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「やさいをとらないで」という標識

先日、畑道を散歩していたら次のような標識があった。「やさいをとらなで」そしてその下には中国語で何やら書いてある。おそらく、「中国語で野菜をとるな」と書いてあるのだろう。

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この標識を見て自分はいろいろなことを考えた。

(1)この農家は少なくとも一回は野菜泥棒にあったようだ。

(2)農家の人は野菜を盗んだのが中国人であるという確証を持っている。

(3)中国語でも簡体字で書いてあるので、大陸の中国人である。

(4)農家の人は業を煮やして、中国語のわかる人に翻訳を頼んで、こんな掲示を自分の野菜畑に立てた。

(5)網を畑の周りに張って容易に外部からは人が入れないようにしている。

しかし、問題点もあるように考える。それは以下のようなことである。

(6)道行く人に中国人の野菜泥棒がいるという警告であり、そのために読んだ人は中国人に対する偏見を生み出す可能性がある。

(7)無関係な中国人がこの掲示をみたら、自民族に対する侮辱であると憤慨するだろう。

(8)多民族共生社会を目指すべきと考えた人はこのような掲示を見て、そんな社会はやはり無理かなと考えてしまう。


あれこれ考えたが、しかし、やはり多民族多文化多言語共生社会を受け入れていくしかないだろうと思う。これはすべきだ、するべきでない、という二者選択の問題ではない。いずれにせよ、国境の障壁がこれまで低くなっているならば、次から次と人々はやってくる。

そして、日本人も次から次と他国へと移住してゆく。問題は、どのようにしたら、上手に共生社会を作り出すかという点だ。ヨーロッパでは難民問題で苦しんでいる。アメリカの新大統領は移民排斥を訴えている。世界は共生社会のもたらす負の面にばかり注目しているようだ。

とにかく、いろいろなことが起きるだろうが、多民族多文化多言語共生社会は避けられない。選択することが可能なのは、そのスピードを速めるか遅めるか、という点だけだ。

先般、自分が講演をした時には、コメントした人の中に、「外国人を受け入れて理想社会ができる、両手を広げて歓迎するという風潮には疑問だ」と述べた人がいた。たしかに、そうだ。でも、現実が動いているのだから、それをどのように上手に受け入れるか工夫すべきことだと思う。

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美濃加茂市を再度訪問する。

美濃加茂市を8月12日に訪れて多文化共生係の方から国際交流のあり方について貴重なお話をうかがった。それは過去の記事に投稿してある。

実は、さらに知りたいことがあり、11月1日に同僚の先生と市役所を再度訪問して、今度は外国籍の子供たちの教育についてお話をうかがった。そして、初期指導教室である「のぞみ教室」を見学させていただいた。忙しい中、対応していただいた学校教育課の課長さん、教育長さん、のぞみ教室の担当の先生方、これらの方々へまず御礼を述べたいと思う。

教えていただいたことは以下のことである。8月12日の話を重なる部分もあるが、重要な点なので再度記述したい。

美濃加茂市は外国人集住都市会議に参加している。そして、2008年には「みのかも宣言」を出している。そして、多文化共生社会のあり方について、地方都市の進むべき方向を宣言したものである。

美濃加茂市はソニーの工場があった関係で、日系ブラジル人がたくさん働いていた。しかし、2013年3月に、ソニーEMCS「美濃加茂サイト」は閉鎖となった。そのために多くの従業員が職を失った。跡地は千趣会の物流倉庫となったのである。しかし、物流倉庫では、ソニーの時ほどの数の雇用は不可能で、必然的に多くの従業員が美濃加茂市を離れざるを得なかった。ただ、市役所側が予想していたよりは、多くの日系ブラジル人の方が市内に残ったそうである。

その理由として、美濃加茂市は日系ブラジル人のコミュニティーがあって、彼らには住みやすいインフラストラクチャーが成立していたことが大きな要因のようだ。美濃加茂市を拠点としてほかのところに働きに行くことができるそうだ。

学校での外国籍の子ども達への日本語教育は現在も行われている。通常の教員だけでは足りない分は加配の先生方、あるいは支援員の方々から助けてもらっている。

いろいろなお話をうかがった後で、車で10分ぐらいのところにある、「のぞみ教室」に案内してもらった。

古井(こび)小学校内に併設されて国際教室がある。正式の名称は「初期指導教室のぞみ教室」である。私たちが訪問したときは、十数名の子どもたちが学んでいた。それぞれの日本語に関する能力が異なるので、一斉授業という形ではなくて、それぞれが個別に分かれて先生方から指導を受ける。話しかけてみたら、日系ブラジル人とフィリピン人が多数を占めていた。

私たちが訪問していたときは、ちょうどフィリピン人のお母さんが子どもを連れて入室の説明を受けていた。これから数か月はこの教室に通い、慣れたところで、正規の学校に行くそうだ。平均して、3か月ぐらいこの教室で学ぶとのこと、そして、年齢に対応した学年に入るそうだ。つまり、10歳の子どもならば、小学4年生のクラスに入るのであり、たとえ日本語能力が不十分なので、小学2年生のクラスに行く、などということはないそうである。

子どもの中には、家庭の問題で学習に対する意欲を失っている子どもがいるそうだ。子どもの教育には、安定した家庭環境、それには安定した収入が必要だが、その点で労働環境のひずみが子どもに投影されることがある。その点で子どもたちへの支援を続ける先生方のご苦労があることと思われる。

最後にいろいろとお世話になった先生方へ再度お礼を述べておきたい。また、画像を示しておきたい。

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外国人学校を調べたい。

2016-09-08

このところ、ネットで外国人学校を色々と調べている。2006年に法人の認可をえたHIRO学園(ひろがくえん; ポルトガル語: Hiro Gakuen – Escola Brasileira Prof. Kawase)を調べている。岐阜県大垣市にあるブラジル人学校である。なお、岐阜県は大垣市と美濃加茂市、可児市の3つが外国人、とくに日系ブラジル人の比率が高い市として有名である。ところで、HIRO学園だが、ネットには次のように歴史が記してある。

沿革
2000年4月:私塾として開校。
2002年12月:ブラジルから認可校と認められる
2006年11月28日:各種学校、準学校法人として認可
2007年2月1日:各種学校として開校

である。この学園のホームページはあるのだが、心配なのは、記事のアップロードが2013年でストップしていることだ。各地のブラジル人学校はリーマンショック以降に、父母が職場を見つけづらくなり、多くがブラジルに戻ったことを聞いている。

下の表を見ると、2008年頃には30万人を越したのだが、以後は徐々に減っていき、いまでは17万ぐらいの数である。各地のブラジル人学校は経営難に苦しんでいると聞いていたが、このあたりはどうなっているのか、心配である。

国際理解教育とブラジル人児童の教育」という論文を見つけて読んでみた。2003年に書かれた論文であるが、非常に勉強になった。

いま自分がいる2013年、そして高齢化社会に向かいつつある(すでにその最中になるとも言えるが)日本、いま住んでいる岐阜県、これを元に自分に何ができるか考えてみたい。

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外国人集住都市

2016-06-23

外国人集住都市とは、外国人、特に南米からの日系人が集まる都市である。バブル期の日本は工場で働く労働者の不足が目立つようになり、1990年の改正入管法をきっかけに日系人の受け入れが始まった。そして次第に太平洋側の都市を中心に南米からの日系人が多く集まるようになった。これらの都市を、「外国人集住都市」と呼んでいる。

なお、浜松市の呼びかけで、日本国内の外国人が多く住む街の自治体や国際交流協会などが集まり、外国人住民が多数居住する都市の行政と地域の国際交流のために、外国人集住都市会議が、2001年(平成13年)5月7日に設立された。

外国人集住都市会議では、ニューカマーと呼ばれる、南米系日系人を中心とした外国人市民が多数居住する都市が抱える諸問題、互いの外国人住民に関わる施策、活動状況に関する情報交換を目的としたものである。なお、各地域で顕在化しつつある様々な問題の解決を図ることが最大の目的である。

なお、会員都市は次の通りである(2015-04-01現在)。

【群馬県】 伊勢崎市 | 太田市 | 大泉町 

【長野県】 上田市 | 飯田市

【岐阜県】 美濃加茂市

【静岡県】 浜松市 | 富士市 | 磐田市 | 掛川市 | 袋井市 | 湖西市 | 菊川市

【愛知県】 豊橋市 | 豊田市 | 小牧市

【三重県】 津市 | 四日市市 | 鈴鹿市 | 亀山市 | 伊賀市

【滋賀県】 長浜市 | 甲賀市

【岡山県】 総社市

オブザーバー

【東京都】 新宿区 | 大田区


現在、私は岐阜県に在住するものだが、2012年4月1日現在では、大垣市と美濃加茂市の二つが参加していた。しかし、現在は美濃加茂市だけである。同市は外国人の比率は7%ほどであり、他の集住都市とくらべても、かなり高い方である。なお、一番高いのは群馬県の大泉町であり、15.7%である。ブラジル人の多い市として、全国的にも有名である。

ドナルド・トランプ

2016-03-10

ドナルド・トランプ(Donald Trump)がアメリカの大統領予備選挙で注目を浴びている。このままで行くと、共和党の大統領候補になり、民主党の大統領候補になりそうなヒラリー・クリントン(Hillary Clinton) と一騎打ちになりそうである。今日は彼の演説のスタイルを考えてみたい。

なお、このブログでは原則として政治と宗教は語らないことにしている。その理由は、このブログの読者の多くが自分の学生だと思うが、「〇〇教は邪教だ」などと述べたら、憤慨する学生もいると予想されるからである。政治と宗教の問題には避けたいと考える。しかし、今日は例外的に主に彼の政治信条にも触れてみたい。

自分は時々トランプの演説を聴く。非常に扇情的である。また、彼の声はかすれている(演説のしすぎで声が枯れたようにも感じられる)。アメリカでは人種問題は大変なタブーで、これについて発言することは極めて慎重で、できるだけ失言しないように言葉を選んで演説をする。しかし、トランプはこのタブーに平気で突っ込んでいく。アメリカのある数の人々は、この本音を言う彼の態度に快哉を叫んでいる。

現在では、黒人、ムスリムが彼の攻撃の対象である。また、アメリカ人の雇用を奪っているとして、中国、メキシコ、インド、日本がよく挙げられる。彼が大統領になったら、貿易面で今まで以上に日本に対して厳しい注文を付けられるだろう。また米軍基地の費用のより一層の負担を要求されると思われる。

今日のラジオで、「1960年代に移民法ができて、それ以来、非白人系の移民が増えている」とKKKの指導者が語っていた。白人の間には、危機感が高まっているようだ。いままで自分たちが享受していた特権が脅かされていると感じているのだ。その反発として、トランプへの支持があるのだ。

アメリカの大統領選挙はお祭りである。言葉のお祭りとも言えよう。一番、言葉で大衆を楽しませてくれた人が大統領になる。要は演説がうまい人が大統領になるのだ。しかし、それらの演説はアドバイサーの人が書いて、大統領候補者や大統領はそれを読み上げるのある。もちろん、原案に赤を入れて自分なりにアレンジし直すことはあるだろうが。しかし、あまりに計算された上手な演説は人の心を動かさない場合がある。

トランプの場合は、当意即妙で答えているように思える。悪く言えば、深く考えていない。その場の雰囲気で演説しているように感じる。この前、共和党の大統領候補の演説会で、司会者が nuclear triad (核戦争を行う3つの道具、潜水艦、爆撃機、大陸間弾道弾)をどう思うかという質問に対して、nuclear triad という言葉を知らなかったトランプは、顔色変えずに、なにやらペラペラしゃべって司会者を煙に巻いていた。たちどころに言葉の煙幕を張れる彼の答えは驚きでもある。

トランプは常に「自分は安全保障の問題は自分はどの候補者よりも詳しい」と豪語していたが、nuclear triad のような安全保障の最も基礎的な事項を知らなかった。そのことで、即刻、マスコミから叩かれていた。しかし、トランプは平気である。マスコミや他の候補者を平気で罵倒する。逆に、悪口を言われても平気である。彼は以前行った演説との相反することを言っていると指摘されると、I am changing. と顔色変えずに語る。日本での候補者ならば、言葉を濁して何とかつじつまをあわせようとするだろうが、かれは平気だ。

彼が大統領になったら、(その可能性は高いが)、国際社会はどうなるか。日本にも大きな影響があるであろう。 日本政府はそのことも予期しておき、その対策を今から準備しておく必要がある。

photo credit: Donald Trump via photopin (license)
photo credit: Donald Trump via photopin (license)

国際交流の理解(第8回目)

2015-06-08

国際交流の理解の授業だが、今日は8回目であった。今日は発表予定者が一人連絡もなしにドタキャンした。これは非常に困る。せっかく授業の予定を組んでいたのが、組み直しになった。このような場合は友人に連絡するか、メールで私に連絡するかして事前に知らせてほしい。

さて、最初はYさんとMさんによる「スペインのクレージーなお祭り」という発表であった。今まではスペインなら、スペイン一般と広く浅くなり、テーマがぼやけた気がしたが、今回はテーマを絞ったことで発表が分かりやすくなった。取り上げた祭りはトマトを互いに投げ合うトマト祭り、赤ちゃんの上を飛び越えるジャンピング祭り、牛追い祭りである。このパンプローナでの牛追い祭りは非常に有名で、ヘミングウエイの小説『日はまた昇る』で紹介されている。ここで聴衆からのコメントをいくつか紹介する。DSCN7522DSCN7518

  • とても衝撃を受けました。トマトを使う量が多すぎて、まずここに移動させることが大変だと思いました。赤ちゃんを飛び越えるという最も危ないことをするとして、世界には変わった考えを持つ人がいるのだなと思いました。日本ではあり得ないので面白かったです。
  • トマト祭りはテレビでよく見るが、看板とかが汚れないように市からビニールが支給されるということから、市が一体となってお祭りをやっている点がいいと思った。
  • お祭りは楽しいことだけでなくて、死亡事故や重傷などの事件があることが分かった。

次は、AさんとNさんの「海外にいる日本人」という発表だった。人気の国とか日本人がどれくらい住んでいるかなどの数字をたくさん示してくれた。この場合は、数字のソースを示してほしかった。なお、日本人の移住の理由の大多数が、「その国が気に入ったから」であったが、世界のほとんどの国での移住の理由は「母国では食べていけないから」とか「政治的・宗教的な難民」などの深刻な理由であることが大きなパーセンテージを占めている。そのことを思えば、日本人の移住の理由を見ると、日本はかなり平和な国であることを示していると思う。コメントを例によって示す。DSCN7524 DSCN7525

  • 私は海外に旅行したいと思うが、住んでみたいとは思わなかった。しかし、住み心地がよくて自分に合った国が見つかればしばらく住むのもいいかなと思った。
  • 私は海外が好きでアメリカに将来移住したいと思っている。私の周りの人で海外に移住したり、向こうの人と結婚した人が何人かいるので、かなりあこがれる。
  • 数字だけ見てもぴんとこないところがありました。→なぜ住むのか、誰に聞きましたか?テーマとしては面白かった。クイズもあって記憶に残りました。

学生たちも慣れてきたのか、PowerPointの使い方は上手になってきた。ただ、用意した原稿を読み上げるだけという発表では物足りない。聴衆にも目をやり、ゆっくりと聴衆と対話をしているという感じで発表してもらいたい。