欧州評議会を中心とする言語政策の年表
●戦乱に明け暮れたヨーロッパでは二度とこのような惨事を引き起こしてはいけないという固い決意が見られた。そのためにヨーロッパの統合へと進んでいく。このページでは、政治的な統合のプロセスよりも、文化的な統合、教育の統合のプロセスを見て行きたい。そのために、欧州評議会の動きに焦点を合わせていく。
1498年12月10日:世界人権宣言(和文、英文)が第3回国際連合総会で採択された。それは、すべての人々が保障されるべき基本的人権についての宣言である。日本では、世界人権宣言が採択されたことを記念して、毎年12月4日から10日までの一週間を人権週間と決めている。また、欧州人権条約へもつながる。
1949: 欧州評議会がフランスのストラスブールに設立された。(現時点での加盟国は47か国であり、オブザーバーは5か国である(2015/07/04時点て゛)@その目的は、人権、民主主義、法の支配等の分野で活動しており、薬物乱用、サイバー犯罪、人身取引、テロ、偽造医薬品対策、女性に対する暴力などの問題に対応している(外務省のサイトから)。
1950:欧州評議会で、調印された欧州人権条約は、欧州人権委員会・欧州人権裁判所という専門の機関を設け、世界でも最も進んだ人権保障体制をつくった。欧州人権裁判所 (European Court of Human Rights)は、欧州人権条約(1953年発効)に基づき創設された人権救済機関である。長官はディーン・スピルマン氏(Mr. Dean Spielmann,ルクセンブルク出身,2012年11月~)である。
1951: 欧州石炭鉄鋼共同体(ECSC, European Coal and Steal Community):ヨーロッパの平和を維持するためには,ドイツとフランスの不戦が最重要であり,そのためには,ドイツ・フランスを同じ組織に加盟させて連帯責任を負わせるのが,最善の方策であるという発想に由来している。したがって,戦争に不可欠な石炭と,鉄鋼の生産を共同管理する共同体を最初に発足させたのである。
1954: 欧州評議会の言語教育政策は、1954年パリで署名された、欧州文化条約 (European Cultural Convention) (1954年署名、55年発効)第2条に基づいている。
Article 2 Each Contracting Party shall, insofar as may be possible,
a: encourage the study by its own nationals of the languages, history and civilisation of the other Contracting Parties an grant facilities to those Parties to promote such studies in its territory,and
b: endeavor to promote the study of its language or languages, history and civilisation in the territory of the other Contracting Parties and grant facilities to the nationals of those Parties to pursue such studies in its territory (中川 2010:43)
1950年代後半: まだヨーロッパレベルのでの教育行政面での国際的な協力関係は始まったばかりで、主な 関心は国内向きあったとのこと(中川 2010:43)。
1953: ルクセンブルクにヨーロッパ学校(Europäische Schule = European School)が設立される。
1955年 4 月 15日: EEC 委員 会 は、理 事会 決議第 1 号 と して EEC での使用言語の採択において各 国言語の 平 等原則を表明 した。
1956: フランスの言語学者コーアンが、社会言語学の視点よりドイツ語、フランス語、イタリア語を公用語とするスイス連邦を語るにあたり「多言語国家」nation plurilingue という用語を使用した。これがplurilingueという語の初出のようである(西山2011:200)
1957: 欧州経済共同体(EEC)
1957: 欧州評議会の言語政策部局(Language Policy Division)ができて、数々のプロジェクトが実施されている。各国にたいする勧告・決議となっている。(ストラスプールにある欧州評議会本部にあった 現代語部門 (Modern Language Section)始まり、Language Policy Division が引き継ぐ(中川2010:43)。
1961年:ハンブルク協定では、現代語教育方法の包括的な改善を国境を越えて共同で促進する決議が採択された。その委託を受けたWilkins, van Ek が研究を始める。
1962: ドイツのカールスルーエにヨーロッパ学校が設立される。(ドイツでは初めて、ヨーロッパでは5番目)
1963-1973年:現代語プロジェクト第一次(1963年 – 1973年)では、教員養成の近代化、国際的な協力関係にかかわるプロジェクトを行い、言語教育に関する言語学的な研究を推奨する(中川 2010:43) 。
1964: 国際応用言語学会 (AILA = Association Internationale de Linguistique Appliquée)の設 立が、1964年フランス・ナンシー大学での応用言語学のコロキウムの際に実現した(中川 2010:43)。
1967: 欧州共同体EC(ブリュッセル条約発効)→1993年にマーストリヒト条約によって発足するEUへと将来的に発展していく。
1971-1976: 現代語プロジェクト第二次
1971年5月: スイスのルシュリコン(Rüschlikon)で開かれた、成人教育における言語についてのシンポジウムは画期的なものになった。成人教育に関する言語学習の単位制度(Unit-credit scheme for language learning in adult education)の導入可能性を調査するための調査委員会が開かれた。→Threshold levelへと発展していく。
1975:The Threshold Level (van Ek)が刊行される。学習目標を特定するための機能―概念モデルを開発した。外国での日常生活においてその国の人々と交流するための必要な最低限の能力をThreshold レベルと規定している。“The Threshold Level” とは、学習者が目標言語の自立的な使用者と評価されるには言語的に何が「できる」とされるのかを具体的に示し、またそのために必要な知識や技能をも明示した学習評価基準である。1975 年に発表された英語版の”The Threshold Level” およびその翌年に発表されたフランス語版の “Le Niveau Seuil” はともに言語学習プログラムの基礎的なモデルとみなされ、その後、各国での言語学習計画に多大な影響を与えた。これはコミュニケーションの道具としての言語の概念(notion)と機能(function)を定め、学習者の言語能力基準をガイドラインとして示している。
(参考:J A van Ek (1975) The Threshold Level, The Council of Europe. 外国語の基礎的な運用能力を主に言語機能の観点から提示したもの。→John Wilkins(1976)Notional Syllabus.(概念シラバスの基本を示した。)→J A van Ek & J M Trim (1991) Threshold 1990, The Council of Europe.・邦訳 米山朝二・松沢伸二訳(1998)『新しい英語教育への指針-中級学習者 レベル<指導要領>』、大修館書店.van Ek(1975)の増補改訂版などの資料がある)。
@従来のオーディオ・リンがル・メソッド等のように文法構造や言語構造を中核とするアプローチではなくて、言語の「伝達機能(function)と概念(notion)」を中核とするアプローチである。すなわち、言語運用を社会的行動と見なすまったく新しい構想と理論的枠組みがあり、その「(複数)言語運用のための能力観」(コンピテンシーモデル)が、「コミュニケーション」概念の基盤にある。(林、杉谷、橋内 2015:336)
1976:The Threshold Level for Modern Language Learning in Schools が刊行される。すでに生涯学習の概念が導入されている。
1976: ガリソン・コスト編『言語教育学事典』ではmultilinguisme, plurilinguisme が項目として立ててある。両者の区別はあまり意識されていなかったようだ(西山 2011:200-201)。
1977-1981: プロジェクト3が行われる。前期中等教育、成人教育、移民教育で実験的な試みが行われた。
1982-1987: プロジェクト4が行われる。
1987: エラスムス計画(European Community Action Scheme for the Mobility of University Students: ERASMUS)
EUの学生が他国の高等教育機関へ留学や企業への研修ができるよう支援するプログラム。1987年6月17日の開始当初は11か国3,244人の学生の参加であったが、開始25年間で270万人を超える学生と33か国の4,000を超える高等教育機関が参加するまでに成長した。現在では、欧州の参加国の学生の4%が参加するプログラムとなっている。また、高等教育機関の教員や職員も対象としており、1997年以来25万人が参加している。@エラスムス計画は、2007-2013年期においては、欧州委員会の生涯学習プログラムの活動の一つに位置付けられている。また、ボローニャ・プロセスの開始や欧州単位互換制度(ECTS)の創設に重要な役割を果たしており、当プログラムの成功がエラスムス・ムンドゥスの開始につながった。2014年からはエラスムス・プラスという新しいプログラムを開始する予定。 (大学評価・学位認証機構)
@エスラムス計画の目的は、次の5点に集約される。1. EU全体として人的資源を養成・確保すること 2. 世界市場でEUの競争力を向上させること 3. 加盟国の大学間の協力関係を強化すること 4. EU市民という意識を育てること 5. 域内での協力事業への参加経験を学卒者に与えること(http://blog.livedoor.jp/deguchiharuaki/archives/28874999.html)
1988-1996: プロジェクト5が行われる。CEFRのWAYSTAGEや European Langage Portfolioなどの導入が取り組まれている。
1991年11月:スイス・リュシュリコンでシンポジウム「ヨーロッパの言語学習における透明性と整合性」を開催する。そこで、言語運用力評価の共通枠策定が、外国語学習能力育成を目指すポートフォリオ作製案と共に提案される。議論は、ヨーロッパ諸国の実施している言語能力の検定試験においてさまざまな言語運用能力をどのような共通枠によって評価するのか、また英語の多様な検定試験をどのように標準化するかを巡るものであった(西山2011:201)。
1993: EUが発足した。EUの公用語は27か国の公用語23言語。最高決議機関はEU委員会委員長と加盟国首脳による「欧州理事会」European Council, EU Summitである。個別分野はEU理事会(EU Council)が意思決定をおこなう。
1994: 『参照枠』の施行版を刊行する。
1994: Content and language integrated learning (CLIL 内容言語統合型学習) is a term created in 1994 by David Marsh and Anne Maljers as a methodology similar to but distinct from language immersion and content-based instruction.
1994年:ヨーロッパ現代語センター(European Center for Modern Languages)が開設される。言語政策部局で開発された政策を推進して、言語教育改革を進めるためのプロジェクトを行っている。参考 → 言語政策局と現代語センターの関係は次の通りである:The Language Policy Division (Strasbourg) implements intergovernmental medium-term programmes with a strong emphasis on activities and tools to support policy development. The Division’s programmes are complemented by those of the European Centre for Modern Languages (Graz, Austria) with a particular focus on implementation of policy.
1994年:ソクラテス計画: エラスムス計画は欧州連合が策定したソクラテス計画に統合された。ソクラテス計画は1999年12月31日に終了し、2000年1月24日よりソクラテス II 計画になったが、これはさらに、2007年1月1日より、EU 生涯学習計画 (2007-2013年) に統合された。
1996: 欧州評議会で、欧州現代語教育センタ-(ECML, Graz, Austria)の開設 (1994年開設か?)。
1996年11月:日本は米国,カナダに次いで3番目の欧州評議会のオブザーバー国になる。日本は,CoEが開催する各種会合への参加及び財政支援を行う他,CoE作成条約の署名・批准,CoEが派遣する選挙監視団への参加,欧州評議会幹部の招聘,議員交流(OECD活動拡大討議への参加)等を行っている。(外務省のサイトよりhttp://www.mofa.go.jp/mofaj/area/ce/)
1997: 欧州連合と欧州評議会の教育・文化面での協力は、1997 年10 月2 日に調印されたアムステルダム条約の中に明記されている。
1997年4月8日~11日:リスボン認証条約、他国からの高等教育機関への進学や就職を容易にするために、他国の学位・資格について、本質的な違いがなければ自国の類似した学位・資格として認証し、学生や雇用主、高等教育機関等に対して、外国の学位・資格の認証に関する情報提供を行うナショナル・インフォメーションセンターを設立することなどが盛り込まれている。また、高等教育機関に対して、ディプロマ・サプリメント(欧州委員会、欧州評議会、UNESCOが共同で作成した学位・資格の学習内容を示した様式)の発行を促進させることも盛り込まれた。 (大学評価・学位認証機構)
1998年5月:「ソルボンヌ宣言」、イギリス、フランス、ドイツ、イタリアの4か国の教育担当大臣は、ソルボンヌ大学創立800年記念式典に出席した際に、開かれた高等教育のためのヨーロッパ教育圏の構築を目指す「ソルボンヌ宣言」に署名する。(宮崎 2015:1)
1998-2000: 第6プロジェクト
1999年6月19日:ボローニヤ宣言が調印される。それは、イタリアのボローニャで、欧州29か国の高等教育担当大臣が調印した宣言であり、内容は、2010年までの欧州高等教育圏(European Higher Education Area: EHEA)の確立に向けて、いくつかの課題の達成に努力するに同意して各国の大臣が署名した。ボローニヤ・プロセスとは、高等教育における学位認定の質と水準を、国が違っても同レベルのものとして扱うことができるように整備するのを目的として、ヨーロッパ諸国の間で実施された一連の行政会合および合意のことである。 (大学評価・学位認証機構)@ソルボンヌ宣言を受けてボローニヤ宣言が署名される。その骨子は(1)理解しやすく、比較可能な学位システムの樹立、(2)学士-修士課程の2段階から生る学位システムの構築、(3)ヨーロッパ単位互換制度(ECRT)などの単位制の確立、(4)学生や教員、研究者、職員の相互移動可能性の促進、(5)ヨーロッパ域内での高等教育の質保証のための協力推進、(6)高等教育におけるヨーロッパ次元の推進である。(宮崎2012:1-2)@2010年を目途に、それらの目標の達成を目指す過程を「ボローニヤ・プロセス」と呼び、2年ごとに、そのボローニャ・プロセスのフォローアップのために、参加各国間の高等教育関係大臣会議が開催されている。(宮崎2012:1)
1999年6月:ケルン憲章:1999年6月、ドイツのケルンで開催された先進8カ国首脳による第25回経済サミット共同宣言(ケルン・サミット・コミュニケ)の一章「人々への投資」に、ケルン憲章「生涯学習の目的と希望(AIMS AND AMBITIONS FOR LIFELONG LEARNING)」が採択されました。 ケルン憲章の冒頭では、「すべての国が直面する課題は、どのようにして、学習する社会をつくり、来世紀に必要とされる知識、技能、資格を市民が身につけられるようにするかである。」とはじめ、その来世紀を「柔軟性と変化(FLEXIBILITY AND CHANGE)」の世紀と定義し、高まる流動性(MOBILITY)に対してのパスポートとも言うべき教育と生涯学習が、すべての人々に提供されなければならないとしています。 また、第1部の「基本原則」では、政府や民間による生涯学習への投資をさらに拡充することなどが、はっきりと謳われています。 さらに、この憲章にかかわる会議では、日本の小渕首相も以下のように積極的に発言したと伝えられています。「グローバル化時代の読み書きそろばんには、外国語とコンピューター操作能力が必要。また、学生、教員の国際交流の促進と生涯学習が重要である。しかもグローバル化した時代の教育は、単に知識や技能を身につけるだけでなく、文化の多様性に対する理解や尊敬の念を育むことを重視する必要がある。」(http://www.fuji.pro.tok2.com/syojiten21.html) @ケルン憲章では、新時代の教育の最優先事項は教員問題であり、教育の質的向上のためには、素質の高い教員の養成が緊迫の課題であることを広く世界に訴えた。(大谷 2015:357)
1999年12月31日:ソクラテス計画は終了する。2000年1月24日よりソクラテス II 計画になったが、これはさらに、2007年1月1日より、EU 生涯学習計画 (2007-2013年) に統合された。
2000年1月24日:ソクラテス計画はソクラテス II 計画になったが、これはさらに、2007年1月1日より、EU 生涯学習計画 (2007-2013年) に統合された。
2000:Common European Framework of Reference for Languages: Learning, teaching, assessment 英語版・フランス語版を刊行。
2001 年: 欧州言語年 (The European Year of Languages)は、欧州評議会が企画し欧州連合との共同で実施された。(多様性は欧州の力であり、EU域内の異なる言語は、欧州の文化遺産であり、すべての言語は平等に学習されるべきであると明言されている。)
→ 複言語主義が提唱される。言語政策部局の捉える「多言語 (multilingualism)」と「複言語 (plurilingualism)」の違いについて、同ページでは次のように述べている。「多言語」とは、ある限定された地域で一つ以上の「言語の変種」、つまりある社会グループの話し方が存在する現状に関わることで、この言語的変種は公式に言語と認識されることもされないこともある。このような地域の内部では、個人は単言語話者 (monolingue) つまり自らの言語的変種しか話さないこともあり得る。「複言語」とは、一人の個人が使う言語の目録に関わることであり、つまりある意味で多言語主義の対極となる。この言語目録は、「母国)語」あるいは「第一言語」と見なされる言語的変種に加えて、すべての別の言語あるいは言語的変種を含むものであり、その数には限りがない。よって、ある多言語的地域には同時に単言語話者と複言語話者が存在することがあり得る。なお、多言語が存在・共存するMultilingualism、あるいはそのような社会的状態と、 個々人の母語プラス2外国語能力の育成を目指す外国語教育政策としてのPlurilingualismを概念的に区別する。
2001年:プラハ・コミュニケ「欧州高等教育圏の確立にむけて」
プラハに欧州の高等教育大臣が集まり、1999年のボローニャ宣言以降の進捗を確認し、次の会合までの2年間の方針や優先事項について協議を行い、採択された内容がプラハ・コミュニケとして発表された。本会合において、キプロス、クロアチア、トルコ、リヒテンシュタインの4か国が新たにボローニャ・プロセスに署名し、参加国は33に拡大した。 プラハ・コミュニケでは、ボローニャ・プロセスに以下の項目が新規に追加された。 欧州の経済的競争力を高めるために、生涯学習(lifelong learning)を高等教育の重要な要素に位置づける。 高等教育機関と学生をボローニャ・プロセスに積極的に参加させる。学生については、ボローニャ・プロセスの意思決定や大学での教育内容にも積極的に参加させる。EUA(欧州大学協会)、EURASHE(欧州高等教育機関協会)、ESIB(欧州全国大学連盟)、Council of Europe(欧州評議会)の4組織は、ボローニャ・フォローアップ・グループの諮問メンバーとして参加する。 欧州内外の学生に、欧州高等教育圏の魅力をアピールしていく。 ボローニャ・プロセスが社会に与える影響に注目していく。 質保証については、質保証ネットワーク間の相互協力と、教育の質の確保と学位・資格の通用性促進に質保証が果たす意義が謳われ、質保証に関する欧州共通の参照枠組みの構築と優良事例の共有にむけて、高等教育機関、各国質保証機関、ENQA(欧州高等教育質保証協会)等が協力していくことが提言された。(大学評価・学位認証機構)
2001年:ユネスコ(国際連合教育科学文化機関)と欧州委員会(EUの行政執行機関)が策定した「国境を越えて展開する高等教育に関する行動原則」(2001年)(中央教育審議会大学分科会 2004)
2001年3月31日:The European University Association (EUA) represents and supports more than 850 institutions of higher education in 47 countries, providing them with a forum for cooperation and exchange of information on higher education and research policies. Members of the Association are European universities involved in teaching and research, national associations of rectors and other organisations active in higher education and research.
EUA is the result of a merger between the Association of European Universities (CRE) and the Confederation of European Union Rectors’ Conferences. The merger took place in Salamanca on 31 March 2001.(Wikipedia: European University Association)
2004: エラスムス・ムンドゥス計画(2004-2008年(第1期)、2009-2013年(第2期))欧州とそれ以外の国・地域間の高等教育機関における奨学金プログラム及び学術交流の実施を通じて、欧州の大学連携を強め、高等教育の質を高めることを目的とした計画である。エラスムス計画はヨーロッパの人々のみが対象だが、エラスムス・ムンドス計画はヨーロッパ外にも開かれ、世界中の大学の修士課程の学生の交流促進と、国境を超えての学習の支援を目的とする。学生・研究者のグローバルな流動化(モビリティ)を促進させ、異文化間交流と対話の場を提供するプロジェクトを支援する。EU内の高等教育機関の協力と人材交流プログラムであるエラスムス計画の成功を受けて始まった。
2004年から2008年の第1期は、以下4つのアクションへの支援を行った。
アクション1: 少なくとも欧州3か国の3大学によって提供される、修士プログラムの開発と提供
アクション2: 欧州以外の国の学生・研究者のための奨学金プログラムの開発と提供
アクション3: 欧州から欧州以外の国への流動化を促進させる奨学金プログラムを含む、欧州以外の高等教育機関とのパートナーシップの構築
アクション4: 欧州の高等教育を世界的に推進するプロジェクトへの支援
2009年から始まった第2期は、以下3つのアクションを支援している。
アクション1: 欧州共同修士プログラム及び共同博士プログラムの開発と提供(奨学金含む)
アクション2: 欧州と欧州以外の高等教育機関のパートナーシップ、学生・研究者のための奨学金プログラムの開発と提供
アクション3: 欧州高等教育の推進(質保証関係のプロジェクトを含む)
2007年1月1日:EU 生涯学習計画 (2007-2013年) にソクラテスⅡ計画は統合された。
2008: 小池科研プロジェクト(2008)『第二言語習得を基礎とする小・中・高・大の連携をはかる英語教育の先導的基礎研究』(研究課題番号 16202010)
2008: 『英語展望』第116号(2008年夏) 特集・世界標準の英語教育を考える
2009: ルーヴァンとルーヴァン・ラ・ヌーヴ(ベルギー)でボローニャ・プロセスについて会合する。
2009: 国際交流基金(2009)『JF日本語教育スタンダ-ド 試行版』、国際交流基金
2009;『英語展望』第119号(2009年冬) 小池生夫論文など参照。
2012: NHKの英語講座でのCEFRを新基準としての導入
2013年7月:2013年7月にクロアチアが加盟したことにより28か国が欧州連合に加わっている。公用語は24となっている。
出典:
大谷泰照他(編) 2010『EUの言語教育政策』 くろしお出版
外務省「欧州評議会の概要」http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/ce/gaiyo.html
中川慎二 「ヨーロッパ言語共通参照枠とヨーロッパ学校 : ヨーロッパ次元とその実践をめぐって」http://www.lib.kobe-u.ac.jp/repository/81002036.pdf
大木充・西山教行(編) 2011 『マルチ言語宣言』京都大学学術出版会
大学評価・学位授与機構
http://www.niad.ac.jp/n_kokusai/block2/1191501_1952.html
宮崎英憲他(編)2012 『変革期にあるヨーロッパの教員養成と教育実習』 東洋館出版社
中央教育審議会大学分科会 制度部会(第9回)2004(平成16年6月17日) 参考資料2 http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo4/003/gijiroku/04072001/012.htm
林桂子、杉谷眞佐子、橋内武 2015 「日本」、大谷泰照(代表編)『国際的にみた外国語教員の養成』東信堂