2015-04-11
オセアニアの言語に関する学術誌の編集代表の先生から、次号は東南アジアの言語の特集をしたいので投稿したらとお誘いを受けた。この学術誌は純粋な言語学の論文を扱っているが、自分の専門分野は英語教育など社会言語学にやや片寄っているので、適性に問題はないかお聞きした。その点は大丈夫のようで、是非とも社会言語学的な視点から論文を書くようにとお勧めをいただいた。そんなことで、何とか頑張って執筆することにした。
フィリピンかマレーシアのどちらかの言語状況を書いてみたらという編集代表の先生からのお勧めだが、マレーシアの言語状況についての執筆がいいかなと思う。ちょうど数日前に、私がクアラルンプールにいた時に、マレー語を教えてもらった先生からメールが来た。その先生は今膝を痛めて手術をしてリハビリの途中であるとの近況報告の連絡であった。
マレーシアは数年前に理系の科目の授業言語をマレー語から英語に変えて、そしてその数年後にまたマレー語に戻した経緯がある。その先生は息子さんがちょうど中等学校に進んでいる時に、その影響をもろに受けたのであった。その先生はマレーシアの教育制度は節制がないと憤慨していたが、再度マレー語に戻す時にも反対していた。とにかく、一度決めたならば、すぐには戻すべきではないという持論のようだ。
マレーシアの数年間の実験(理系の科目を英語で教えるという実験)の評価がそろそろ出そろうのでは思う。そのあたりの資料をマレー語の先生からいろいろと教えてもらえればと思う。ただ、問題はマレーシアの言語教育のたくさんの資料はマレー語で書かれている点だ(自分はマレー語を学んだが500語ほどの単語と日常会話だけであり、それも20年以上も昔の話で、とうてい学術論文が読めるレベルではない)。英語で書かれた資料ならば有り難い。しかし、英語資料に頼っていると見方が偏るかもしれない。その片寄りを直す意味で、この先生の意見を聞きながら、また息子さん自身の感想を聞きながら何とか論文としてまとめられないか考えている次第である。締め切りは年末で時間がある。しかしすぐに開始しないと時間はあっという間になくなる。