ブログを開設するということ

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2015-04-30

ブログをつけ始めてからかなりの月日がたった。きっかけは何だったろうか。母の介護を数年前から行うようになった。母の調子が悪い時は横で見守る必要があった。そんなときに、軽く読める本ということで、東野圭吾のミステリーを読み始めた。才能のある小説家の書く本だけあって面白かった。いろいろと読んだが次第に飽きてきた。そこで、外国語の勉強も兼ねて、面白い本、自分が気楽に読める本である、ミステリー・SF・童話などを外国語で読み始めた。

それまでの自分は言語学や教育学関連の本や論文を読んできたが、心から楽しんで読んだことはなかった。義務感から読むことが多かった。しかし、ミステリーやSFといった趣味の本を読み始めることで、再び読書の面白さを再発見した。学生時代はこれらの本を楽しく読んできたが、仕事を持つようになってから、意識的に趣味の本を読むことを避けてきた。無理をして仕事関連の本や論文を読んできた。

Evernote を日記として使っている。そこに、はじめは、自分の読んだ趣味の本のタイトルだけを記していた。それからコメントも付け加えるようになった。しかし、自分のためだけに記した文は、のちほど読み直しても何を言いたいのか分からないことが多かった。断片的に書いても自分が書いた内容だからいつまでも分かる、と思っていたが、そうではない。数カ月経つと自分が「数カ月前の自分」という他人になるのだ。数年経つと「完全に他人」になり意思伝達がむずかしくなる。他人に伝えるように分かりやすく論理的に文章を組み立てることが日記でも必要だと気付いた。人に読んでもらう必要がある。それにはどうするか。

Yahooブログを開設して、「異文化の森へ」というブログを始めた。そこに、自分の読んだ趣味の本、主にミステリー・SF・ファンタジー・童話のコメントを投稿するようになった。それは楽しい行為であったが、しばらくすると、いろいろと問題点があることに気づいた。

Yahoo ブログはたくさん広告欄がつく。有料でこれらの広告欄を排除することができない。広告欄は非常に目ざわりである。また、外国語の本を読むので、引用した場合、単語が途中で切れてしまう。Evernoteで事前に投稿する文を作っていたが、その時に、単語が途中で改行にならないように、工夫をして文を作成しても、いざ投稿すると、やはり単語が切れてしまう。さらに、ウムラウトやアクサン記号は使えない。要は、Yahooブログは、外国語の文が投稿されることは想定していない。

いろいろと探したが、現在のWordPress に落ち着いた。この「異文化の森へ」 というブログは自分には大切な息抜きになっている。また、WordPress に慣れてくると、これはブログとサイトという両方の使い方ができることにに気づいた。サイトに自分が今まで集めた言語政策関係の年表を掲載して、関係する研究者に利用してもらいたいと考えた。そこで、このサイト「言語21世紀塾」をオープンした。幾つかの国の年表をサイトに掲載したのである。将来は、世界の主な国の言語政策の年表を網羅したいと考えている。また自分が今までに書いた論文で、古いものはアップしたいと思う(新しいものは出版社の許可が取れない)。古いが故にあまり資料的な価値はないかもしれないが。

ブログには言語関係のことを投稿する予定であった。自分の専門の言語関係の情報を提供したいと考えたのである。しかし、いつのまにやら、自分の日記、自分語りになってしまった。母の介護の話とか、年金の話、お酒の話など、あまり言語とは関係ない話ばかりである。将来方向として、サイトとブログは分離すべきとも考えるが、今のところはこのままで進める予定である。

自分が専門とするフィリピンの言語政策については別にサイトをたてた。「フィリピノ語を考える」である。フィリピンの言語政策の歴史年表はかなり充実していると自負している。フィリピンの言語政策を研究する人は是非とも利用してもらいたい。

趣味のブログであるが、通勤の行き帰りに外国語の勉強を兼ねて Audiobook を聴いている。だいたいミステリーを中心とする小説を聴いているが、これもいろいろと語りたいことが出てきて、ブログを新しく開設した。それは「異文化の音を聴く」である。そんなことで、現在は4つのブログを持っている。毎日、この4つのブログのどれか1つか2つかに投稿している。また、時々昔書いたブログを読み直して、誤字脱字の修正、誤認していたことの訂正をしている。これらの作業で1日平均1〜2時間ほど時間をかけている。自分にとっては楽しい作業である。

さて、これからであるが、ブログの将来を考えている。自分は京都に住んでいる。あと、数年はここに住むことになるだろう。高性能のカメラを購入して、神社仏閣や歴史的な遺跡を巡って、画像を投稿して、面白い解説記事をつけたブログを開設したらと考えたりしている。いわば、『古寺巡礼』『大和古寺風物詩』のブログ版を開設したいと考えている。

しかし、自分はその後は石川県に戻るから、そうするとそんなブログは継続が難しくなるとも考える。その時は、金沢や能登半島などの記事が中心になる。そこでは、あまり歴史的な遺跡はないので、動植物の画像中心のブログを立ち上げるのも面白かとも考える。博物学を勉強して、それらに解説をつけるのも楽しいことだと思う。

最近は、退職された方のブログをよく読んでいる。それぞれの方がどのように生きていったか、どのようなことを考えているかがよく分かる。自分も共鳴する点があり、まねができる点は大いにまねたいと思う。現役から引退へと、人生の大きな境目に揺れ動く自分を見つめるためにも、このブログは必要だなと思う。

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