2015-05-28
今日は非常勤の仕事で大阪に行く。途中の電車の中で正岡子規の『病牀六尺』を読む。死の4か月前の子規の随筆で鬼気迫るものがある。自分の母は最期の4か月は身動きできなくなった。そこまでは同じだが、母は認知症が進んで、意思疎通もおぼつかなくなっていた。そんなことを思い出しながら、この本を読んでいた。
さて、今日は途中下車として、あべのハルカスに行くことにした。御堂筋線の天王寺駅で降りる。駅のすぐそこに近鉄デパートの入り口がある。10時の開店に備えて人々が並んでいる。ほとんだが、中高年の人である。こんな時間帯にデパートの入り口に並べる人は中高年だけであろう。自分は切符売り場へ向かい、展望台への切符を購入する。1500円であった。エレベータまで道のりが長い。係りの人がたくさんいて、道のりを案内してくれる。ようやくエレベータに入るが、16階で乗り換えて、そこから別のエレバーターで展望台まで上っていく。そこにも係りの人が何人もいる。かなりの数である。
展望台から,いろいろ見ることができる。大阪も結構緑があることに気づく。天王寺公園がある。四天王寺がある。オープン早々なので、まだ人は少ない。その人々は感嘆の声を上げている。
下に降りて、天王寺公園内にある美術館に向かう。緑が濃い。ここからのあべのハルカスの姿がよく見える。何枚か写真に収める。ざっと一時間ほど、残念ながら美術館の中に入る時間的な余裕はない。すべてを大急ぎで済ませてから、非常勤先に向かう。
途中でいつも食事するうどん屋で680円のサービス定食を注文する。680円と思っているが、支払いの時には税金が加算されて724円と言われる(それで自分はいつも損をした気になる)。今日は千円札を出したら、「千円札でいいですか」と言われたので、小銭入れの中を探して24円を出す。すると、現金係の人は嬉しそうに受け取った。小銭はいつも不足するのであろう。
さて、非常勤先で授業をする。今日は色々と準備をして行った。学生は知らないが、有益な知識を提供できたので、まあまあの成功をおさめた授業だったと自画自賛しておく。
そのあと、非常勤先のO先生から誘われて、その大学の別のキャンパスまで一緒に散歩することにした。二つのキャンパスの間はあるいて20分ほどか。大阪とはいえ、まだ田舎の面影を残す散歩道を歩く。O先生の学問に対する情熱、若い頃の苦労話など、話は弾んだ。近年の大学の状況など、どこの学校も似たような状況であり、互いに励ましあった次第である。
さて、帰りの電車の中、正岡子規のことを考える。病気で苦しんで身動きできなくなった人でもあんなに観察力のたしかな日記(随筆)を残している。五体満足な自分は、今日もいろいろなことを見聞きすることができた。感謝の気持ちとともに、このブログを書き込んでいるのである。もちろん、子規ほどの迫力のある文は書けないが。