観光英語

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2015-05-29

自分は京都に住んでいるが、地の利を生かして京都の観光地や大阪の有名な場所にもよく出かける。外国人観光客の増加は近年非常に顕著になった現象である。そのために観光英語への需要は事情に高いと思う。自分は何年か前に観光英語に関するテキストを2冊ほど編集して出版したことがある。『観光英語で日本案内』『観光英語で日本発見』であり、ともに英宝社という出版社からの発刊である。

出版社の方のお話によれば、これらの本は未だに順調に売れている、と聞く。とても嬉しいことである。その理由をいろいろと考える。今から10年ほど前であるが、当時の観光英語のテキストは「日本人が外国に行って観光する」という前提で作られたテキストがほとんどだった。しかし、私の編纂したテキストは、「日本に来る外国人を日本人が案内する」という、逆の設定のテキストであった。当時は日本にたくさんの外国人観光客が訪れるという現象は予想されなかったことである。来日観光客の増加を予想していたという点で、自分のテキストは時代を先取りしたことになり、その点が売れ行きが好調な理由であろうと自画自賛している。

時代にもっともっと対応した新しい観光英語のテキストができればと願っている。京都や大阪の名所旧跡を訪れるときは、たくさんの写真を撮る。そして、風景だけでなくて、英語で書かれた表記や絵文字(ピクトグラム)なども、意識して写真に撮る。研究室に戻ってそれらの標識を調べてみると、日本人一般の観光英語に対する理解が徐々に進んでいることがわかる。

自分は元々は「外国人への言語サービスの提供」という視点からこの研究に進んだのだが、これは「外国人観光客への言語サービスの提供」という点とも重なる。「多言語での観光情報の提供」が次の段階だが、これはどうなるか、なんとか考えを定めていきたい。新しい観光英語のテキストはどうあるべきか、以下のようになると考える。

  • 今まで日の当らなかった名所旧跡を積極的に取り入れるべきである。
  • 単に見るだけの観光ではなくて、日本で何かを体験したいと考えている外国人を意識すべきである。
  • 中高年は観光を楽しみたいと考えているのであり、適切な文化体験や買い物の機会を与えるべきである。
  • そのような中高年に対して、若者は観光を一種の通過儀式と考えているのではないか。そこで「自分探し」をしているのではないか。
  • 何か通過儀式を与えるとしたら、それは短期留学とも連動できないか。
  • 英語が通じない外国人を意識した観光英語(言葉に矛盾があるが)が必要ではないか。それは、ピクトグラムの活用とかであろう。
  • 日本人がおもてなしをする側、観光産業の従事者になるわけだが、その専門性をどのように高めるのか。

なとど可能性を考える。自分は最近、観光地で増えてきている外国人観光客を見ながら、いろいろと愚考する。彼らは何を求めて日本に来たのか。彼らの目的は達せられたのか、非常に気になることである。

 

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