授業の振り返り(PowerPoint)

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2015-06-03

昨日の授業を振り返ってみる。異文化理解の授業では、毎回 PowerPoint を使って説明をしている。昔は教科書を選び、それにもとづいて、カルチャーショックとか、ハイコンテキストとか、ノンバーバルコミュニケーションなどの項目の説明をしていた。

どうしても理論的な説明が中心となる。学生の反応はあまり良くないと感じていた。理論的な項目に関心を持つには、ある程度異文化理解の経験を積んでおくのがいいのだが、高校を終了したばかりの学生には、まだぴーんとこない点が多い。

そのために、文字によるテキストを使う方式から、PowerPointによる画像を中心とする方式に近年変えたのである。この異文化理解の授業でもこの数年はPowerPoint中心の授業にしている。画像を提示する方式である。

理論的なことは、スライドの上の数行で、スローガン的なことを提示するだけである。それに口頭でいろいろな説明を加える。学生の反応が良ければ、詳しく説明をするし、反応が良くなければ次のテーマに移る。 PowerPoint 方式の利点は次のようであろう。

    • (1) 学生にとっては経費がかからないこと。実は息子の大学でも多くの授業がテキストはダウンロードさせた教材を使っている。親としては金銭的にありがたい。
    • (2) 教科書だと授業が始まってから教科書の選択が間違っていたことに気づくことがある。時遅しである。教科書が難しすぎる、逆に言うと学生のレベルが想定していた基準に達しないことが往々にある。その場合はその授業は悲劇的なことになる。しかし PowerPoint ならば、次回の授業からのレベルの調整は簡単である。
    • (3) PowerPoint だと毎年少しずつ改善が可能である。前年の反省を中に組み入れることができる。同じ科目を担当していると、PowerPoint の内容は毎年改善されていく。
    • (4) もちろん PowerPoint の欠点もある。紙の教科書だと学生は理論構築ができやすい。難しい内容でも、通読すればそれなりに何かをつかむことができる。その教科書を折に触れて読み返すと、理解がますます深まることがある。自分自身も大学の時の教科書を卒業後に何年かして読み返して有益と感じることがある。

昨日の授業で気づいた点が一つある。他の授業で学生が作成した PowerPoint を参考までに見せたのである。すると、そちらの方が学生の食いつきはよい。つまり、学生の作成したスライドは学生の視点から作成されているので、他の学生の共感を得やすいようだ。

教員の視点は、どうしても理論的な説明が中心になる。学生の作成した PowerPoint は画像中心のスライドであり、上手な観光案内の説明となっている。その方が学生には人気が高いようだ。

それから、90分の授業にどうやって緊張を持続させるかという問題がある。スライドだけではダメか。動画を入れたり、音声を聞かせたりする、手変え品変えすることが必要なようだ。

また、90分の授業は3つほどに分けて違うことをさせる方が良い。一つの大テーマで90分は飽きてしまうようだ。学会の発表でも25分発表+5分の質疑応答で合計30分として、それを3つほど組み合わせて1単位としている。90分が終わると休憩が入るようだ。とにかく、どうしたら授業の質が高まるか悩ましい。

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