2014-08-07
おととい(8月5日)、NHKの番組「みとりびと~看取りの時間に伝え合うこと~」(Eテレ、ハートネットTV)を見た。
滋賀県東近江市の田舎で91歳の妻を97歳の夫が自宅で看病をしている。妻は病院に行かずに自宅で最期を迎えることを決めた。病院ならば、ある程度の延命の可能性があったろうが、妻は自宅で自然死を迎える覚悟である。老いた夫はスプーンで食べ物を妻の口に含ませたりしている。夫は妻へときどき声掛けをしている。子どもや孫が見舞いにきたり、医者やヘルパーさんが訪ねて、看病や介護の計画を練っていた。そして、やがて、番組の中で、妻は配偶者に看取られながら、命を終えていく。
現代では、死は病院の中でしか見られなくなった。昭和30年代以降は家庭の中では見られなくなった。重病になると入院するのが当然となっている。しかし、人類の長い歴史では、家族と共に死を経験するのが普通だった。小学生などになれば何人かの肉親の死をすでに経験している。しかし、今は、そのような経験の機会がなくなってしまった。出産も同じことであるが。
番組に出ていた老いたる夫は、今年(2014年)の6月に突然倒れて数時間後に亡くなった、とのことである。今、84歳の母を病院に入れて、胃瘻という形で延命を病院にお願いしている自分としては、いろいろと考えさせられる番組であった。
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