子規を相変わらず読む

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2015-07-24

子規の『墨汁一滴』を読んでいる。5月12日の記述で気になったところを抜き出す。

繃帯ほうたい取替にかかる。昨日は来客のため取替せざりしかば膿うみしたたかに流れ出て衣を汚せり。背より腰にかけての痛今日は強く、軽く拭ぬぐはるるすら堪へがたくして絶えず「アイタ」を叫ぶ。はては泣く事例の如し。
浣腸(かんちょう)すれども通ぜず。これも昨日の分を怠りしため秘結(ひけつ)せしと見えたり。進退谷きわまりなさけなくなる。再び浣腸す。通じあり。痛けれどうれし。この二仕事にて一時間以上を費す。終る時三時。

読んでいると苦しくなる。そして自分の母の末期を思い出す。母も最後は自分で排便ができなくなった。それで、毎朝浣腸をしてもらっていた。寝返りも自分ではできずに、看護師さんが来ては、2時間ごとに体の向きを変えていた。床ずれを防ぐためである。

子規は当時としては最高級の治療を受けていたようだ。新聞社と子規から毎月給金をもらい、母と妹もそのお金で生活していたようだ。そのために、子規に対しては遠慮しながら看病していたようだ。包帯を毎日変えて、好きな食べ物を買ってもらい、口述筆記なのか、毎日庭を見ながら所感を述べ、と絶望的な病状の中にあって、なんとか執筆活動が続けられたのも彼の資力があったからである。

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