「あんさま」と「おっさま」

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2015-08-17

石川県の方言なのだろうが、長男と次男を「あんさま」と「おっさま」と呼ぶ。そして、このことはかなり大事なことになる。「さっき居ったあれは、あんさまかね、おっさまかね」と人はよく尋ねる。「あんさま」ならば、跡取り息子として重要な地位をしめるが、「おっさま」ならばいずれの日にか家を出て行かなくてはいけない。昔は家を出ても、なかなかいい仕事があるわけでもなくて、何かと本家を頼ることになる。それで、「あんさま」は威張っているが、「おっさま」は遠慮しながら生きていくことになる。

現代では、むしろ「おっさま」の方が気楽と好まれるようだ。若ければ、都会に行けば仕事はいくらでも見つかるし、サラリーマン稼業も悪くはない。「あんさま」は田舎の家を相続して(つまり家に縛り付けられ)、農業に従事することになる。そして、親の老後の面倒を見ることになる。現代は女性も「あんさま」よりは「おっさま」と結婚したがるようだ。

その他に石川の方言で、赤ちゃんのことを「ねんね」と言う。また中年以上の女の人を「ねえさん」という。他には、母の口癖だったが、「いじくらしい」という言葉がある。「あの者はしょっちゅう来ては、金貸してくれ、金貸してくれ、と本当にいじくらしくなる」というような使い方だ。「はがいい」も母の口癖だった。悔しいの意味だ。「だら」と言う言葉は結構使われている。私も独り言で何か面白くないことがあると自分自身に対して「だらやな」と言ってしまう。「馬鹿だな」という意味だ。

この子は本当に「はしかい」子や、などと使うが、「はしかい」は賢いの意味である。それから祖父が使っていたが(今は使われていないかもしれないが)、タオルのことを「ゆつけ」と言っていた。つまり湯に浸けるの意味である。在郷(ざいご)を田舎の意味で使っていた。祖父は「東京行っても、みんなわしのこと、ざいごのじーじーと馬鹿にして誰も相手にせんかったわ」などと言ったことを覚えている。

「美くしーう」が「すっかり」の意味で使われる。いとこが母方の祖母が入院してきた時に、点滴の袋の水溶液がすっかり無くなったのを見て、「液が美くしーう無くなってしもうたな」と言ったのを覚えている。英語のpretty やドイツ語のschön、フランス語のbeau も程度を表す語として使われる。このあたり共通性があるなと感じる。

あと、私は廻り寿司でよく注文していたのが「ばい貝」である。京都に転勤してきて「ばい貝」と注文したら、「え?」と言われた。後で、調べると「つぶ貝」と言うらしい。寿司のネタでも地方によって言い方に違いがあるとは知らなかった。また、京都では、駅のホームのことを3番線、4番線という代わりに、3号線、4号線のように言う。これも面白い。

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