ブログを書くことは楽しい

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2015-09-29

自分はブログを書くことは好きである。書いているときは楽しい。ブログを複数持っていて毎日いずれかのブログに何かを書いている。このところ、気合が入ってきて、自分の見聞きしたものは、できるだけたくさん書き残しておきたいという感じになってきた。

通勤の途中で聴いたラジオの内容を書き残しておきたい。途中で見かけた民家の草花について書き記しておきたい。授業であったこと、学生と話した内容をブログに投稿したい。夕食時に飲んだ焼酎について論じてみたい。などなどである。

すべてを書き記したい、という欲望がある。上手な文章よりも、たくさん書いてみたい。質より量である。文章を練って名文に仕上げる時間があれば、同じ時間をかけて見聞きしたことをできるだけ多く記したい、と考える。

プロの写真家はいつでもカメラをかかえて、何でも撮影してやろうという意気込みで各地を歩き回る。井原西鶴は句作に関心があり、一晩で2万句作ったとあるが、これは世界の全てを俳句に写そうとした意気込みと解釈したい。芭蕉もすべてを、旅で見聞きしたすべてを俳句で記録しようとした。

画家はスケッチブックを持って全世界をキャンバスに還元しようとする。モーツアルトは全世界を音楽表現に還元しようとした。人間はそれぞれが独特の方法で世界を記憶しようとしているのである。

問題は目的と手段が逆になっていることだ。美しい景色を見るために観光地を訪問する。感動する、その結果、ブログにその感動を書き残す。それが普通だ。しかし、この頃は、自分はブログに書く記事はないか、ネタはないか、と思いながら観光地に行く。美しい光景に出会う。よかった!ネタにできると、evernote に下書きを打ち込む。

評判の高いレストランに行って、美味しい料理に舌鼓を打つ。その感動を残したいとブログに書き綴る。自然の成り行きはそうなのだ。しかし、ブログのネタ探しに有名レストランに行き、料理を味わい、写真に撮り、感想を書いてブログにアップする。目的がブログを書くことになっていて、レストランでの食事がその手段になってしまっている。

英語に put the cart before the horse という諺がある。普通は馬車を馬の後ろにつけるが、逆に馬を馬車の後ろにつけることである。つまり本末転倒という意味だ。まさしく、この諺通りのことが生じている。

photo credit: Horse taxi - Av Virgen de la Pena, Mijas via photopin (license)
photo credit: Horse taxi – Av Virgen de la Pena, Mijas via photopin (license)

でも色々と言われるが、ブログを記していくこと自体は楽しい。とりわけ最近はソフトも進歩して、いろいろと凝ったデザインを取り入れることが可能になっている。私もブログを投稿するときは、画像をどう入れるようとか、ここは文字を太くしたらいいな、などと見栄えの工夫をしたりしている。これは楽しい作業だ。これからも続けたい。

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