シャンプー、リンス、ターバン

Pocket

2015-11-14

シャワーを浴びている時には、ふとどこまで済んだのか分からなくなることがある。つまり、シャンプーをしてから、リンスをするのだが、シャンプーをしたのか、リンスをしたのか分からなくなる。そのために、シャンプーをしないで、リンスだけをするとか、逆にリンスをしないで、シャンプーだけで終えてしまうことがある。

要は記憶力の低下なのだろうと思う。こんなちょっとしたことも覚えるのが難しくなっている。そのために、時々自分は今シャンプーをしていると自分に言い聞かせて、そして次はリンスをしていると言い聞かせる様にしている。

あるいは、シャンプーを終えるとそのボトルを後ろ向きにして、次にリンスが終えるとそのボトルを後ろ向きにする。そうすると、順番を飛ばすことはない。

ネットで調べると、シャンプーの目的は頭皮の汚れを落とすことにあるのだ。リンスは、シャンプーでアルカリ性になった髪を中性化することが目的だ。長い髪をした女性などは、このあたりの使い方に熟練しているのであろう。


話が変わるが、シク教の男性は頭にターバンを巻いている。信仰に関係するのだが、ヒゲや髪は神からの授かりものなので、そのままにしておく必要がある。すると、髪は長くなるので頭の上に巻いてターバンの中にしまうのである。

シク教徒の男性は洗髪をどの程度するのか興味がある。ある人から聞いた時は、月に1回ほど、それも油を塗る程度だと言っていた。ネットで調べると週に2回ほどだと書いてある。この男性たちは、シャンプーやリンスをするのだろうか。単なる水洗いだけなのか。

むかし、20年ほど前か、マレーシアのクアラルンプールの図書館で調べ物をしていた時に、シク教徒の司書の女性から親切にしてもらい、シク教の寺院で信徒たちの礼拝に参加することになった。見よう見まねで礼拝してお菓子を振舞われた。たしか、ハンカチか何かを頭にかぶったように思うが、髪を見せてはいけないという教えのようだ。

祭壇には教祖グル・ナーナクの絵が飾ってあったように記憶しているが、一般にシク教では人の絵や像を偶像崇拝と結びつくとして嫌う。であるので、私の勘違いかもしれない。

その司書の人から色々教えてもらったことがある。語ってくれたことは以下のようなことだった。箇条書きにする。

(1)シク教徒では、マレーシアでは警察官が多い。このシク教徒の寺院も警察関係者の集まる寺院である。

(2)イギリスは植民地統治は「分割統治」を行った。少数民族のシク教徒を優遇して警察や軍人などに取り立てて、他の民族を取り締まった。

(3)マレーシアでも同じ政策で、インドからシク教徒を呼び寄せて警察官として雇用した。

(4)シク教徒は治安活動を行ったので、50年代には、自宅などは共産ゲリラなどの襲撃の対象になった。それで、フェンスで囲まれたコミュニティーをつくり、その中で警察関係者の家族用の小中学校、住宅、寺院などを建造した。(私が訪れたのも、フェンスで囲まれたコミュニティー内の寺院だった)


オーストラリアへ行った時は、シク教徒が多いのに気付いた。同じイギリス植民地という歴史で人々の行き交いも多いのであろう。

また、メルボルンヘ向かう飛行機の中で、私の右側にインド人の青年が座った。かれはパンジャーブ地方出身でオールトラリアでプログラマーとして働いていると言っていた。パンジャーブ地方出身ということはシク教徒である可能性が高い。

三日ほど故郷に里帰りして、婚約者と会ってきて、いま仕事に戻ると言っていた。彼もシク教徒なのだろうが、ターバンは巻いていない。若いシク教徒はもうターバンは巻かないしヒゲも剃るようになったと聞く。人々の習慣も時代とともに変わっていくのだ。

photo credit: It's from hot-turbans.com via photopin (license)
photo credit: It’s from hot-turbans.com via photopin (license)

 

 

スポンサーリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください