2015-12-11
今日の授業で英語のテキストに蝶々夫人(Madam Butterfly)の話が出てきた。学生はプッチーニという作曲家は、かすかに知っていたが、蝶々夫人については、名前も聞いたこともないと全く知らなかった。
私が簡単なあらすじを話したが、実は私もよくは知らないのだ。何とか思い出しながら少し話す。アメリカ人の士官が日本に来て現地妻として蝶々夫人を選んで一緒に生活をする。だが数年後にアメリカの海軍士官ピンカートンはアメリカに戻ることになる。かれはアメリカに夫人がいるのだ。
そして、蝶々夫人は彼の帰還を信じて待っている。彼女には男の子が生まれた。ピンカートンは夫人を伴って日本に来る。そして夫人は子供を引き取ることを申し出る。蝶々夫人は愛を裏切られたことで絶望して刀で自分の喉を切って自害する。こんな話だと教える。
学生はその子供はどうなったのか、と質問してきた。私は子供の運命については知らなかった。それで、たぶん、自分の実家の方に引き取られたのではと答えたが、確信は持てなかった。今、ネットで調べているが、オペラでは子供がどうなったかについては、述べられていない。視聴者の想像に任せるようだ。
明治の頃に、アメリカ人の男性との間にできた子供の運命は日本にいても、アメリカに行っても厳しいものだったと思う。正直言ってこのオペラは何となく自分は気味が悪く感じていやである。しかし、このオペラで有名な「ある晴れた日に」という歌は素晴らしい。
YouTube で聴いてみる。マリアカラスの歌声である。「神懸かった」とでも言いたくなる美しいソプラノである。YouTube のコードをここに貼り付けたいのだが、最近は著作権の問題がうるさいので、それは行わない。
さて、このオペラだが単純化して言えば、男の甘い言葉に騙された女の物語となる。似たような事例が古今東西にあるので、人々の心に訴えるのであろう。
