マーライオンに関する質問の答え

スポンサーリンク
Pocket

2015-12-16

学生からマーライオンに関する質問を受けた。それは、「マーライオンは宗教的な存在でしょうか。人魚がマーライオンに変化するというアニメを作ったら現地の人の宗教的な感情を傷つけるでしょうか。」という二つの質問である。結論的にいうと、両方とも「ノー」という答えになる。このあたり、下に詳しく説明を行っていく。

(1)マーライオンは宗教的な存在か。

マーライオンは現代のコマーシャリズムが産み出した産物である。シンガポールという国を売り出す観光のロゴマーク、マスコットとして1970年ごろから使われ始めた。最初から非宗教的な存在である。

英語版のWikipedia には、Merlions do not feature in any local folklore or myths of Singapore, and was only used in Singapore initially as the logo for the tourism board.「マーライオンはシンガポールの民話や神話に基づくのではなくて、観光のロゴとして使われただけである」のように記述してある。

シンガポールの人種は大きく分けて、中国人、マレー人、インド人(タミル人)の3民族である。宗教もそれぞれ異なっている。国のマスコットを、ある民族の宗教に基づいて作ると、他の民族の人からは不公平という声が上がるので、むしろ、どの民族の宗教にも基づかないように慎重に選ばれていると言える。

人魚がマーライオンに変化するというアニメは現地の人の感情を傷つけるか

マスコットやロゴは誕生は人工的なものであっても、ある程度年月がたてば、その国の人にとって愛着が湧いて自分の分身のように感じられる。人魚からマーライオンへの変化は問題ないのではないか。人魚もシンガポール社会では肯定的な存在として認識されているからである。

もしも、ネズミがマーライオンに変身するとか、マーライオンが他の怪物に食べられるというようなアニメならば、現地の人は面白くないと感じるであろう。人魚からマーライオンへの変化は納得できるものである。また、マーライオンは女性であるので、人魚からマーライオンへの変身は無理な形にはならない。

その他に感じたこと

シンガポールは小さな漁村から発達した国であり、顕著な歴史的事件もなくて、歴史を観光資源にするのは難しい。それで新しい観光資源を作り上げようと真剣に取り組んでいる。マーライオンのその一つであり、見事にその意図は当たったと言えよう。

「シンガ」とはサンスクリット語(インドの古い言語)で「ライオン」の意味である。これは中国にも入って「シシ=獅子」となったようだ。

「ポール」は都市の意味で、これは世界中の都市名に使われている。ギリシアでは poli となり、アクロポリスのように使われる。都市の治安や政治を司るから、ポリスポリティシャンなどの言葉になった。

その他には、バンブルク、カンタベリー、イスタンプール、サンクトペテルブルク、シェルブール、シュトラスブールなどがある。都市の名前の最後が burg, bury, pure, bourg ならば、この語から由来すると考えていいだろう。

photo credit: Merlion against Skyline via photopin (license)
photo credit: Merlion against Skyline via photopin (license)
スポンサーリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください