2016-05-12
世界を旅行すると日本のピクトグラムとは微妙に異なると感じることがある。たとえば、横断歩道では赤信号になると、向こう側のピクトグラムが「待て」の意味を表すように「手のひらを向けた」ピクトグラムとなる。日本だと単に赤色の信号になるだけなのだが。
ピクトグラムの国内的な統一はどの様に進んでいるのか、さらに国際的な統一もどのように進んでいるのか、とても関心がある事項である。
交通エコロジー・モビリティ財団のサイトを訪問してみると、以下のような文面がある。
不特定多数の人が出入りする交通施設、観光施設、スポーツ施設、商業施設等に使用される案内用図記号は、一見してその表現内容を理解できることから、文字表示に比べて優れた情報提供手段です。しかしながら、国内的にも国際的にも標準化が遅れています。国内的には未だ日本工業標準(JIS)化がなされず施設ごとにバラバラに使用されているのが現状です。国際的にも国際標準化機構(ISO)によってわずか57項目が標準化されているに過ぎません。
その当時では、ピクトグラムがバラバラに使用されているようだ。そこで、「標準案内用図記号ガイドライン」を設定して統一化を進めようとしている。
次のような文面がある。本ガイドラインは、国土交通省の関係公益法人である公益財団法人交通エコロジー・モビリティ財団が日本財団の助成を得て設置した「一般案内用図記号検討委員会(以下「検討委員会」という)」における検討を経て策定されました。検討委員会は、【一般案内用図記号検討委員会の構成】に示すとおり、国土交通省、経済産業省、文部科学省、警察庁、消防庁をはじめとする行政機関、交通事業者、観光・流通事業者団体、消費者団体、障害者団体、学識経験者、デザイナー等の参加を得て、1999年4月に設置され、案内用図記号の標準化に向けて約2年間検討を行いました。はじめの1年間は、一般案内用図記号の国内外事例の収集、カテゴリーの分類、表示事項の選択、図材の選定等の作業を行い、続いて、体系的に新しく造形をし直し、2000年6月に128項目の原案を策定しました。その後、ISO及びJISの調査方法に準拠した理解度及び視認性調査により原案の適正度を評価し、2001年3月1日の委員会において、原案のうち125項目を「標準案内用図記号」として決定いたしました。
そして、この125項目に関して、以下の画像のように広報している。
これらの記号のうち、110項目がJIS規格化(2002年3月20日)されたそうで、ますますオーソライズされている。また、近年の地震や津波などでの災害にかんがみて、災害用のピクトグラムが追加されている。
ただ、JISの規格では単に日本における統一化が進んだということだけである。現在のように国外からも多くの人々が訪れるようになった時代では、国際的な統一化へと進みたいものである。