2016-05-15
東京オリンピック・パラリンピック競技大会に備えて、多言語協議会という組織がある。昨日、その事務局の方とお話をする機会があった。自分にとって非常に勉強になったので、そこでいろいろと知り得たことをここで報告したい。
(1)情報通信研究機構(NICT)が多言語音声翻訳アプリを開発している。かなり実用に適するように開発されており、例えば、VoiceTra というアプリだが、事務局の方が普通の速度で日本語を吹き込まれた。すると、数秒のうちに英語に直して、さらに英語の発話が聞こえてきた。これは驚くほど便利なソフトである。
自分はNariTra という無料アプリをすでにスマホにダウンロードしているが、これら一連のアプリの実用性の高さに驚く。外国人、聴覚障害者の方々、などにとって有力な武器になるであろう。
(2)今、現在2020年のオリンピックに向けて多言語対応の整備が進んでいる。しかし、これは2020年になったら終了ということではなくて、もっと長期的な展望に立つ必要がある。来る多言語社会日本へ対応するための道標の一つであると考えるべきである。現時点で東京都の外国人住民の数は3.4%である。この数が加速度的に増えるであろうから、多言語社会へのしっかりとした心構えをしておくことが必要である。
(3)やさしい日本語、やさしい英語という概念は有益な概念である。日本語、英語を使うのはそれぞれのネイティブではなくて、それを第二言語として用いている人々が用いる場合も多い。とりわけ、英語表記に関しては、英語のノンネイティブが用いる方が多いだろう。英語ネイティブを対象として凝った名文ではなくて、ノンネイティブ対象の簡単なわかりやすい英文の方が実用性が高い。
(4)オリンピックで外国人観光客が来るとしたら、東京ばかりに観光客がお金を落とすのではないか、日本の他の地域はどうなるのか、東京都でも、23区は経済的に潤うが、市部はあまり恩恵にあずからないのではという懸念がある。このあたりをどのように調整するか、これは一つの課題である。
会合はいろいろと勉強になった。また多くの資料を頂いた。協議会の事務局の方々、どうもありがとうございます。
