2016-06-09
くろしお出版から『英語デトックス ―世界は英語だけじゃない
』が刊行された。この本は山本忠行先生と江田優子ペギー先生が編者として中心となってまとめられた本である。私もコラム「電子化の時代における日本語と英語」と座談会「現場の英語教師が本音で語る英語デトックス」で執筆、発言の機会を与えてもらった。
デトックスとは聞き慣れない言葉からもしれない。detox とは、解毒剤の意味である。英語が実は毒をまき散らしている、そのことに気づかない人が多い。この本では、英語の持つ危険性を指摘して、同時に、どうしたらその毒から免れるか、その解毒の処方を論じたものである。
帯の部分に記された文をここに紹介したい。
「英語の毒」について考える
英語ができればそれでいいのか、できない人間は無価値なのか、
他の外国語ではダメなのか、日本語と英語、どちらが大切なのか、
世界は英語とどう向き合っているのか。。。英語を学ぶことの負の側面も正しく理解し、
英語と上手につきあうために、
言語教師がまとめた提言集。
このような紹介文である。普通ならば、「英語は世界への窓です」、「英語を通して世界を知ろう」というような英語売り込みの紹介文は多くの人が見たことがあるだろう。しかし、この本は逆に英語の持つ毒、負の面に触れているという点でユニークである。
「英語」「英語」と日本中が浮かれている。そのときに、ふと冷静になって、この事象を考えてみる必要もあるだろう。考えてみること、その叩き台が必要である。その叩き台を与えたい、そんなことが契機となって、この本は誕生したのである。

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