地方自治法第10条

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2016-06-17

外国籍で自治体の中に住む人々に対して、地方自治体がサービスを提供するのはどうしてなのか、何か法律的な根拠があるのか、と疑問をいだく人がいる。「住民」とは、そもそも、日本国民を対象とする概念であるから、外国人が住民として扱われることはない、と唱える人もいる。しかし、外国人も住民であることは法律に明確に記されている。地方自治法の第10条を見てみる。

第二章 住民

第十条  市町村の区域内に住所を有する者は、当該市町村及びこれを包括する都道府県の住民とする。
○2  住民は、法律の定めるところにより、その属する普通地方公共団体の役務の提供をひとしく受ける権利を有し、その負担を分任する義務を負う。

ここでまず「住民」の定義がされている。「住所を有する者」は「住民」であると規定している。ここで「住所を有する者」の定義であるが、サイト「住民票ガイド」のQ & Aでは、次のように述べている。

Q.「住所」とは何か教えて下さい。

住所

住所とは、各人の生活に最も関係の深い一般的生活の場所、全生活の中心地(生活の根拠地)を指すものと解されています。
住民基本台帳法上の住民の住所は、地方自治法第10条第1項でいう住所と同一であり(住民基本台帳法第4条)、民法第22条と同じく、その市町村区の区域内における各人の「生活の本拠地」をいうことになります。尚、その場所が、生活の根拠地として認められるかどうかは、居住するうえでの客観的な条件が備わっているかどうか、または本人がその場所を生活の中心とする意思があるかどうかを総合的に考慮し判断されると考えられます。

居所

「住所」と類似の概念に「居所」があります。
これは、人が多少の間継続して居住するが住所までには至らない場所をいうことになります。
民法第23条には、居所について「住所が知れない場合には、居所を住所とみなす。」と規定されていますが、この規定は地方公共団体の住民の住所には適用されず、居所をもって住民基本台帳法上の住所とすることはできません。

住所の認定については、あらゆる場合に該当する具体的な基準というものはないのだが、いろいろな客観的居住の事実を基礎とし、これに当該居住者の主観的居住意思を総合して決定するのである。つまりこの点はかなり常識的な判断になるのである。また、住所は一応は、一カ所に限ると判断されているようである。

なお、民法にも「住所」と「居所」の定義がある。それは以下のようである。

民法第22条

(住所)
第22条  各人の生活の本拠をその者の住所とする。

民法第23条

(居所)
第23条  住所が知れない場合には、居所を住所とみなす。
2  日本に住所を有しない者は、その者が日本人又は外国人のいずれであるかを問わず、日本における居所をその者の住所とみなす。ただし、準拠法を定める法律に従いその者の住所地法によるべき場合は、この限りでない。

住民や住所の定義が地方自治法と民法でぴったりと重なるわけではないが、少なくとも、外国人でその当該の市町村に住む者は、「住民」である、すなわち「外国人住民」である、と考えてよいだろう。それゆえに、外国人住民は「普通地方公共団体の役務の提供をひとしく受ける権利を有し」ているのである。

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