2016-06-30
先日、東京都の多言語対応協議会の事務局の方から、多言語音声翻訳アプリの存在をいくつか教えてもらった。その中の Voice Tra(ボイストラ)を自分のスマホにダウンロードしていくつか試してみた。このアプリは、日本語でたとえば、「バス停はどこですか」という音声をスマホのマイクに向かって吹き込むと、瞬時に Where is the bus stop? と英文がスクリーンに出てきた。そして、英語の音声も出てくる。これは便利だ。
ここで、逆にわたしが Where is the bus stop? と英語話者の振りをして音声を吹き込むと、その吹き込んだ文章は It’s a nonstop. と出てきて、日本語の翻訳は「直通です」と現れる。そして、その翻訳の意味は It’s a direct line. であるという表示が出てきた。
つまり、私は日本語ネイティブであるので、私の日本語はほぼ100%認識する。しかし、私が英語で話すと、どうも音声は標準英語でないので、正しく認識はされないようだ。2回目の時は、意識してゆっくりと明瞭な発音をするように心がけた。すると今回は Where is the bus stop? と正しく認識してくれた。
それから、I often go to the market.という文をアメリカ式にoften を発音して入力すると、うまく認識したが、イギリス式にoften (オフトン)と発音すると認識してもらえなかった。つまりイギリス英語の話者は意識的にアメリカ英語で発音しないといけないようだ。オーストラリア英語の発音でsay (サイ)を吹き込むと、sign などという風に認識される。オーストラリア英語はその特徴的な発音は認識されていない。
お遊びで、モードをフランス語にして、Je suis professeur. (私は教員だ)と、フランス語で吹き込んでみた。すると、このアプリは Dieu sait. (神のみぞ知る)と認識した。私のフランス語の発音がまったく認識してもらえない程度のひどいものであることがわかる。
さて、私はこのアプリは語学教育で使えると考える。その後、私は英語でいくつか文を吹き込んでみた。やはり、/r/, /l/ などが絡むと認識してもらえなくなる。I wrote a long letter. はどうしても認識してもらえなかった。その特性を生かして、何回も英語の発音を試してみて、アプリが認識してくれるかどうかで、自分の英語の発音の状態を確認することが出来る。
英語教育法の授業の時に、学生にこのアプリをダウンロードするように指示した(無料であることももちろん付け加えたのだ)。ほとんどの学生がスマホやiPadを持っていたのでダウンロードできた。学生はこのアプリの使い方はすぐに覚えて、英語で吹き込んだり、日本語で吹き込んだりして、どのように翻訳されるか楽しんでいた。
自分はこのアプリは音声学の授業で有効に使えると思うのだが、その使い方はこれから試行錯誤をしてみたい。
(追記 2016-11-23 授業で使用して学生の音声のチェックに使った経緯を記した。私の他のブログであるが、VoiceTra を授業で使った。をも訪問してほしい。)

よろしくお願いします。小生は、74歳英語は。からっきち、苦手ですか頑張って、観たく。
匿名さま コメントありがとうございます。VoiceTra は通訳のツールだけでなくて、学習者自身の発音の練習にも使える便利なツールだと思います。技術革新が進み、これからますます、このツールは洗練されてゆくのだろうと思います。