言語政策の目的

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2016-07-31

言語政策とは国家のような公的な組織がある国家目的の遂行のために、国民の言語活動を変化させようとすることである。

その形態は国や時代により異なる。その意味では、抽象的で純粋な言語政策はなくて、常に地理的・歴史的な制約を受けて存在する。

地理的・歴史的な制約のもとで、言語政策の目的は、主に、政治的な目的、経済的な目的と理念的な目的の3つに区分けされる。政治的な目的とは、国家統一とか植民地支配の強化などのために言語政策が遂行されることである。経済的な目的とは、貿易や商業の活発化を目的とするため、言語政策が遂行されることである。理念的な目的とはその集団の威信を高めるために言語政策が遂行されることである。

それらは互いに関連して、純粋に一つの目的だけが追求されることは少なくて、互いに関連する。たとえば、共通語を樹立して普及させることは、政治的な視点からは、国家統一に結びつき、経済的には共通語ができたために、国内の交易が活発化するし、政治的・商業的に成功を収めることは、国の威信を高めることにも目的はなくて、ある程度は経済的な目的や理念的な目的とも関連するのである。

逆に、一つの目的追求のための言語政策が他の目的追求には反する結果となることがある。独立国の言語を国語にして普及を図ったら、威信の追求にはなるが、交易語として有益であった旧宗主国の言語を取り外すことになり、経済的にはマイナスになることである。

言語政策とは、それぞれの目的とのバランスを追求する政策でもある。

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