やさしい日本語ツーリズム

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雑誌 Travel Journal (2016-10-17) の記事「外国人観光客は話したがっている」(著者:吉開章)は非常におもしろい記事だったので、紹介したい。要旨は以下の通りである。


日本に来る外国人観光客を迎えるには英語で行うべきだ。あるいは、その観光客の話す言語、中国語、韓国語、タイ語などで観光に関する言語サービスを提供するという認識が日本人の間にゆきわっっている。しかし、中には日本語でコミュニケーションを行いたいと希望する観光客もいる。

韓国・台湾・香港には多くの日本語学習者がいる。彼らは趣味的に日本語を学んでいるが、日本旅行の際には自分の日本語能力を試してみたいと考えているのである。彼らは、言葉の不便さを楽しみたい、勉強した日本語をドキドキしながら試みてみたいと考えているのである。

日本人は英語教育や多言語対応に奔走して、それらにコストをかけすぎている。日本に来る外国人観光客のかなりの数、近隣のアジア諸国が多いのだが、かれらは日本語にある程度慣れている。その力を活用して「やさしい日本語ツーリズム」を開発すべきである。

ただ、日本語を押しつけであるべきではない。あくまでも観光の目玉の一つとして提供すべきである。それに興味を示してくれる観光客にのみ提供すればいいのだ。

日本は高齢化社会となりかってのような経済成長は望めない。しかし、まだ世界的には日本はブランドである。そして日本語もブランドである。日本がフランス級の観光立国になれるかもしれない。そのための一つの可能性として「やさしい日本語ツーリズム」がある。


だいたい、以上のような趣旨である。私自身は日本に定住する外国人にやさしい日本語を提供することは、大切なことと認識していたが、外国人観光客にも提供できる可能性があることを知っておもしろいと思った。

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