「やさいをとらないで」という標識

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先日、畑道を散歩していたら次のような標識があった。「やさいをとらなで」そしてその下には中国語で何やら書いてある。おそらく、「中国語で野菜をとるな」と書いてあるのだろう。

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この標識を見て自分はいろいろなことを考えた。

(1)この農家は少なくとも一回は野菜泥棒にあったようだ。

(2)農家の人は野菜を盗んだのが中国人であるという確証を持っている。

(3)中国語でも簡体字で書いてあるので、大陸の中国人である。

(4)農家の人は業を煮やして、中国語のわかる人に翻訳を頼んで、こんな掲示を自分の野菜畑に立てた。

(5)網を畑の周りに張って容易に外部からは人が入れないようにしている。

しかし、問題点もあるように考える。それは以下のようなことである。

(6)道行く人に中国人の野菜泥棒がいるという警告であり、そのために読んだ人は中国人に対する偏見を生み出す可能性がある。

(7)無関係な中国人がこの掲示をみたら、自民族に対する侮辱であると憤慨するだろう。

(8)多民族共生社会を目指すべきと考えた人はこのような掲示を見て、そんな社会はやはり無理かなと考えてしまう。


あれこれ考えたが、しかし、やはり多民族多文化多言語共生社会を受け入れていくしかないだろうと思う。これはすべきだ、するべきでない、という二者選択の問題ではない。いずれにせよ、国境の障壁がこれまで低くなっているならば、次から次と人々はやってくる。

そして、日本人も次から次と他国へと移住してゆく。問題は、どのようにしたら、上手に共生社会を作り出すかという点だ。ヨーロッパでは難民問題で苦しんでいる。アメリカの新大統領は移民排斥を訴えている。世界は共生社会のもたらす負の面にばかり注目しているようだ。

とにかく、いろいろなことが起きるだろうが、多民族多文化多言語共生社会は避けられない。選択することが可能なのは、そのスピードを速めるか遅めるか、という点だけだ。

先般、自分が講演をした時には、コメントした人の中に、「外国人を受け入れて理想社会ができる、両手を広げて歓迎するという風潮には疑問だ」と述べた人がいた。たしかに、そうだ。でも、現実が動いているのだから、それをどのように上手に受け入れるか工夫すべきことだと思う。

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