紙芝居が小学校で行われている。

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昨日、中学校教諭二種免許(英語)科目履修講座で講師としてお話をした。受講者は小学校や中学校の先生方であった。履修講座では私からの一方通行にならないように、受講者間での情報交換にもなるように心がけた。

その中で、いくつか興味深い情報を得ることができた。その一つを紹介する。

それは、紙芝居の話だ。現在、小学校では紙芝居を取り入れて読み聞かせの活動に利用していると聞いた。

ある小学校では、電子黒板があり、それに紙芝居を映し出す。音声はプロの声優さんが吹き込んであるので、子どもたちは喜んで見て聴いている。

別の先生の小学校では、40冊ほどの絵芝居があって、時々、子どもたちの前で読み聞かせをするそうだ。それは電子黒板ではなくて、「本物の紙」の紙芝居だそうだ。木の枠(舞台)をつけてその中で紙芝居をすると効果的だが、その木の枠が紛失(壊れた?)ので、現在は木の枠はなしで演じていると教えてくれた。

その学校では上級生が下級生に紙芝居の読み聞かせを行う。ただ、上級生といってもまだ小学生なので、読み方は単調で小さな声でぽつりぽつりと読むだけだ。プロの声優さんのように、表情豊かに読むことを要求するのはまだ過酷かもしれない。

なぜ紙芝居が子どもの情操教育に役立つのか。それは、テレビや映画のように膨大な情報がやってくるならば、視聴者はただ受動的に受けれるだけになる。しかし、紙芝居では、情報量の少なさという特徴ゆえに、かえって、子どもに想像力、創造力を育てることになる。

自分が小学生の頃はまだテレビの普及する前だ。よく通りで紙芝居を見ていた。怪獣が現れてたが、正義の英雄がそれを退治するストーリーだ。紙芝居なので、静止画だがそれでも十分に満足できた。紙芝居のおじさんの口調が上手で、心に残った。そして話の細部について自分で想像を巡らせることが楽しかった。

最近の紙芝居の特徴として、内容が子ども向けに無毒化されていることだ。桃太郎の話は、鬼ヶ島に征伐に行く話だ。オリジナルの話では、鬼を退治するのだが、最近の版では、最後には鬼と和解して仲良く一緒に手をつなぎ、めでたしめでたしという話だそうだ。

子どもたちには大人の世界の醜い面を見せたくないという配慮だろうが、このような話を聞くと首をかしげてしまう。

東京都あたりでは、運動会でのかけっこの競争も優者劣者を生み出すのは好ましくないとして、手をつないで一緒にゴールインする方式があると聞く。大人の世界の醜い競争意識をもたせたくないという考えだ。でも、これはおかしいとの声が受講者間で上がった。岐阜県ではほとんの学校では、かけっこはちゃんと競争形式で、1着、2着を決める。負けた子どもが悔しさを学ぶのも大切だとの意見だ。

school_kyoushitsu

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