S先生の逝去

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二日ほど前にS先生の親族の方から封書が届いた。中を開けてみると、S先生が3月8日に突然に病死したとの訃報であった。これは驚いた。

S先生は私の研究仲間であり、一緒に研究書やテキストを執筆したことがあった。私の電話の履歴を調べると、実は、死の前日に電話でS先生とお話をしていた。その時の様子は、とても元気そうで、これからの研究予定を熱っぽく語ってくれていた。やさしい日本語、多言語社会の進展、外国人住民へのサービスなど、様々な分野に関心を示されて、意気盛んであった。

S先生の勤務している大学の大学院では3年ごとに授業を受け持つ資格があるかどうかの審査があるそうで、そのためにコンスタントに業績を出していかなければならない、と語っていたのが印象に残っている。

S先生は63歳であったが、これから研究しようとする分野を語る熱心さは、むしろ若々しいと感じたほどであった。そして、関連する学会の報告書を私にも送ってくれるという話であった。翌日、早速メールにて関連する情報を伝えてくれた。3月8日の12時39分発信のメールであった。そのメールには、その他のデータも順次送るという話であったが、それ以降はメールがないので、学期末・新学期の準備で多忙なのだろうと思っていた。

親戚の方から届いたお知らせには、3月8日に亡くなったとあった。するとその日の12時39分にはメールを送信するだけの元気があったのに、午後か夕方には亡くなったということのようだ。心臓か脳に何か急に異変が起こったのか。

私の亡父は、亡くなった日の午前中は元気で車を運転していた。ただ、夜に作業場で仕事をしていたら、突然のくも膜下出血で亡くなった。人間には、60歳代以上になると突然死がありうるということだ。(自分も、その点は覚悟を決めておかねばと思った)。

昨年末に、他の研究仲間たちと一緒に新たなテキストの編纂をする、という話も出ていた。この企画は残念ながら、途中で取りやめとなったが、そのことも思い出した。

63歳という年齢、現代人の平均寿命から判断すれば、早すぎる死のように感じる。死の重々しさをしっかりと受け止めていきたい。S先生のご冥福を祈りたい。 合掌

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