『山の音』

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2014-12-26

今日は長男と一緒に母の病室を見舞う。長男と二人で交代で母の耳元に「おばあちゃん、息子(or 孫)ですよ。わかりますか。早く元気になってください」とささやく。かすかに母は目を開けたようであり、唸り声が意味を持つ言葉になったようにも感じられる。普段は看護師さんに母の状態を聞くのだが、今日は看護師さんもやって来ない。しばらくして車に戻る。

長男は来年、半年ほどオーストラリアに留学したいと言う。自分のような貧乏教師には息子のために留学の費用を捻出するのは大変である。しかし、長男が真剣に勉強したいと言うので、やはり自分は応援すべきだろうと思う。自分の父母は決して裕福ではない生活の中で、自分と妹の教育を最優先にして、父母自身の生活を犠牲にしてくれた。両親に親孝行する機会はもうなくなってきたが、両親にしてもらったことを、息子たちにすることが、ある意味で恩返しになるのだと思う。
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ある本を眺めていたら、川端康成の小説の『山の音』に登場する老人の信吾の年齢は62歳であることを発見した。若い時から何回か読んできた小説であり、老境の主人公に対して、まだまだ自分とは無縁と思っていたが、いつの間にやら、その年を上回ってしまった自分がいる。これは一つの驚きである。

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