「京都観光総合調査」という報告書

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2015-01-30

観光に関する資料を読んでいる。2月27日〜28日にかけて、学会が開かれる。そこで、「京都観光のグローバル化とその課題」というタイトルで発表する予定である。その準備のために、色々と資料を読んでいる。きょう読んだ「京都観光総合調査」(京都市産業調査局)という報告書は非常に有益である。

その報告者によれば、京都を訪れた外国人観光客に京都旅行の印象を聞いたが、9割近い回答者が満足と答えていた。しかし、1割近い回答者が不満を述べている。その理由は、(1)言語がわからない。(2)神社・寺院の拝観料が高い。(2)物価が高い。(3)地下鉄やバスなどの交通網がわかりずらい。(4)ホテルの予約が取りづらい。ホテルの窓からの景色が良くない。などであった。

私の発表は、言語問題に絞って述べていこうと考えている。京都でも金閣寺や二条城、清水寺のように外国人観光客が多く訪れるところは、言語サービスが充実している。ホームページも日本語版に加えて英語、中国語、韓国語による版もある。パンフレットもこの4カ国語で入手できる。これらは京都駅に比較的近い神社・寺院の特徴である。

問題は京都のはずれにある名所・旧跡である。外国人観光客も次第に京都の周辺のところを訪れるようになる。そのときに、まったく日本語の表示だけでは外国人観光客は迷うだろう。また外国語の標識といっても、英語の表示だけでは不十分である。台湾、韓国、中国、香港からたくさんの観光客が来ている。タイ語やベトナム語の標識も今後は必要となってくるだろう。

結論的には、(1)まだ英語標識のみが目立つので、多言語標識へと重点を変えていく必要があるという点、(2)郊外の神社・寺院ではまだ日本人だけを想定している。この点を述べていきたいと思う。なお、郊外の寺院では、トイレも男女共用のところがあったりする。中高年になるとトイレに行く回数も増えるが、外国人の中高年の女性が安心して使える清潔なトイレがあるといいだろう。それも標識が「お手洗い」とだけ日本語で書いてあったら、やはり分からない。少なくとも英語の案内は必要だろう。

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