3月15日に卒業式が行われた。

3月15日は、本学の卒業式があった。昨年までは、卒業式では全員がマスク着用であった。だが、この卒業式は、マスクの着用は個人の判断に任せることになった。教職員と保護者はマスクの着用は必須であった。当日の卒業生はどうであったかというと、ほとんどがマスクを外していた。この3年ほどマスクをしていた学生の顔しか見ていなかったので、やはり何かと違和感があった。我々の頭脳にマスクをした目だけの学生の顔が強くインプットされていたので、ちょっと戸惑ったのは事実である。

思い返せば、この卒業生達はコロナ禍に直撃を受けて、不運と言えば不運であった。「もうこんな災害は起こらないだろう」と言えない点が残念である。今はウクライナでの戦争、そしてもしかすると地震などの災害が将来起こるかもしれない。何が起こるか分からない時代である。とにかく、平穏であることを祈るだけである。

卒業式のあと、パーティがあった。学生達は袴からパーティ用の服に着替えたようで、出費も大変だったのではと推測する。久しぶりにパーティらしいパーティを経験できた点はよかった。

スポンサーリンク

修士論文の発表会があった。

昨日、修士論文の発表会があった。本学では、大多数の修士学生は3月に修了だが、9月に修了する学生もいる。今回の発表会の特徴と言えば、ほとんどが学生がZoomで発表していたことだ。また、聴衆もZoom経由で視聴していた。私は研究科長なので責任者として発表会の冒頭に簡単に話をした。これは、Zoomでの挨拶なので、自宅から挨拶ができたので楽であった。発表や質疑応答もZoom経由だが、対面での発表や質疑応答と比べて、そんなに効率が劣るということはなかったように感じた。

今回の発表会に参加しての感想は、コロナが終了してもZoomによる発表は生き残る、むしろZoomによる発表の方が主流になっていくのではということだ。授業もZoomが主流になれば、これからは通学の観点から近隣の大学を選ぶ必要がなくなる。東京や大阪の大学を選べる、あるいは何ならば、外国の大学での受講者になることが可能になるのだ。

会社関係も同じだ。私の息子は二人ともプログラム関係の仕事をしている。このコロナの時代では、在宅での仕事が主流になっている。息子たちはコロナ以前は、オフィスに行き、そこの机に座ってパソコンに向かって仕事をしていた。今は、週に1,2回ほど出社するが、その他は在宅での仕事になる。従業員からすると時間の節約になるし、会社側からすると、交通費を支給しなくていいし、電気代や水道代も節約できると思う。

問題は、対面のコミュニケーションが少ないので、会社に対する忠誠心が生まれづらくなるし、従業員同士の一体感も欠けがちになることだ。ですので、週に一回か隔週での出社は必要だろう。面白いことに、次男の会社では、時々は在宅での飲み会を行っているそうだ。酒は自分で用意して、Zoomでみんなが勝手なことを言いあう。飲むのは自分で用意した酒だ。このような在宅での宴会も結構楽しそうだ。これなどは、コロナ以前は考えられない宴会スタイルだった。

息子たちは健康管理は関心が高い。体重も増えることも多くなるので、意識してジョギングをしたりジムに通ったりしなければ、すぐに体重過多になる。ジムやジョギングに頑張っている。

これからの教育機関やオフィスはZoomの利用を積極的に考えるべきだ。個人の側も同じだ。私自身も生まれが反世紀ほど遅ければ、科学技術の発展の恩恵をもっと受けられただろうと思う。海外の大学の講義なども比較的に廉価に受けられたろうと思う。とにかく、情報化時代の進展をしっかりと見届けてゆきたい。

Waterproof

昨日の授業の時に、複合語について教える必要があった。それでwaterproof という語を選んで説明しようとした。学生たちに、「時計を見てごらんなさい。その裏に waterproof とあるでしょう」と話しかけた。しかし、誰も動こうとしない。一人の学生だけが自分の腕時計を外して裏側を見ている。

教室には学生が10名いた。不思議に思って「腕時計を持っている人、手を挙げて』と聞いたら、その学生一人だけが時計を持っていた。そのほかの学生はスマホで時間を確認しているようだ。しばし、学生たちに腕時計に関することを聞くと、特に必要性は感じないそうだ。一人だけ腕時計を持っていた学生はファッション感覚で時計をはめているようだ。

きょう、言いたいことは、自分の感覚が古くなって、若い人たちの常識がわからなくなっているという事だ。授業をしている時に、自分が使う言葉、何かを説明するために持ち出す例が、若い人たちには知らないことになってきている。湾岸戦争とか真珠湾攻撃などの話をしても、キョトンとしている。

昔の腕時計は高価で、ネジを巻いて動かしていたとか、時々誤差が生じるので針を調整したとか、など全く知らない世界のことになってきている。私は小学生の頃は、インク壺やペンを用いながら手紙を書いたこともあった。鉛筆はナイフで削って使っていた。自分でも大昔のことのように感じる。

若い人との間に共有する文化が少なくなってきている。日進月歩のこの時代、日本経済は停滞と言われているが、技術革新だけは着実に進んでいる。なるほど、自分がだんだんと化石的な存在になりつつあることを感じるのだ。

2427999 / Pixabay

JACET中部支部定例研究会にて発表をする。


昨日、久しぶりに学会発表をした。「地方大学の『観光英語』の授業に関する実践報告」というタイトルで、20分ほど勤務校における観光英語関係の授業の報告をした。発表と言っても、Zoomを使ったので、私自身は自分の研究室からパソコンに向かって25分ほど語っただけだ。おかげでリラックスして話すことができた。その概要は以下の通りである。

新型コロナウイルスの感染者の増加が目立つようになるまでは、外国人観光客の数は毎年増加してきた。それに応じて、本学でも、昨年までは、観光英語(Tourism English)の授業を受講する学生数が増えていた。観光英語の教科書は従来は日本人が英語圏に旅行して(アウトバウンド)、そこで様々な体験をするという内容が中心であった。しかし、近年は日本を訪れる外国人(インバウンド)を日本人がおもてなしするという内容の教科書が増えてきている。そこでは、外国人は英語圏の人とは限らず、さまざまな国の人を英語で案内するという内容である。授業は、必然的にWorld Englishes を意識した内容になる。アメリカやイギリスの英語に慣れている学生には新たな説明が必要となる。この授業実践報告では、このような観光英語の授業の現状を報告する。また、新型コロナウイルスの感染者の増加が、観光英語の授業にどのように影響を与えつつあるかについても述べたいと思う。

 

この発表だが、昨年の同じ頃に「地方大学における『観光英語』の授業のあり方について」というタイトルで発表した内容を踏まえている。その内容をより具体的に説明して、さらに昨今のコロナ対策にも触れてあるのだ。

オンライン発表であり、一人ひとりの反応は見ることができなかった。パソコンの画面に向かって話すだけなので、気楽と言えばいいのだが、やはりある程度の緊張は欲しいものだ。

さて、コロナのために、学会発表というものは、少なくともあと半年はオンライン発表になるだろう。ただ、オンラインでの発表はどこにいても視聴できるという点はありがたい。コロナが収まっても、国際大会などはオンラインが主流になればと思う。

 

2019年科研費合同研究集会のご案内


科学研究費に基づいて研究している複数のプロジェクトがその成果を共有しようということで、12月15日に早稲田大学で合同研究集会を行う予定です。詳細は以下の通りです。


名称:2019科研費合同研究集会@早稲田大学
日時:2019年12月12月15日日曜日
場所:早稲田大学(早稲田キャンパス)8号館3階303/304/305会議室

プログラム【2019年11月26日現在】







 















10:00-10:30 会場設営・開場・受付
10:30-12:00 研究発表

10:30-11:00 employability関連のインタビューについて
鍋井理沙(東海大学)
11:00-11:30 プライミングと英語学習
森下美和(神戸学院大学)・原田康也(早稲田大学)
11:30-12:00 学習者対話データ収集用録音・録画機材の比較検討:ハードディスクレコーダ・ハンディカム+ブルートゥースワイヤレスマイク・アクションカメラ・全天周カメラ+360度マイク
原田康也(早稲田大学)
12:00-12:45 科研費関係者打ち合わせ・昼食
12:45-15:00 研究発表

12:45-13:30 関係代名詞節の翻訳における連体・連用の選択性
佐良木昌(明治大学)
13:30-14:15 従属接続節形成の胚たる関係節について
佐良木昌(明治大学)
14:15-15:00 地方大学における「観光英語」の授業のあり方
河原俊昭(岐阜女子大学)
15:00-15:15 休憩時間
15:15-16:50 研究発表

15:15-15:45 日光における言語景観の変容:文化と想像力
平松裕子(中央大学)・森下美和(神戸学院大学)・原田康也(早稲田大学)・佐良木昌(明治大学)
15:45-16:15 日光アプリの評価
傅翔・伊藤篤(宇都宮大学)
16:15-16:45 ヘルスツーリズム
吉村・伊藤篤(宇都宮大学)
16:45-16:50 研究集会閉会の挨拶:原田康也(早稲田大学・情報教育研究所・所長)
16:50-17:10 会場整理・撤収

研究集会に関しての詳細は次の情報をご覧ください。

会告
名称:2019科研費合同研究集会@早稲田大学
日程:2019年12月15日日曜日
会場:早稲田大学早稲田キャンパス8号館3階303/304/305会議室
住所:東京都新宿区西早稲田1-6-1
参加費:無料


主催:早稲田大学情報教育研究所・早稲田大学言語情報研究所

共催
日本英語教育学会
http://www.decode.waseda.ac.jp/jeles/index-j.html
日本教育言語学会
http://www.decode.waseda.ac.jp/eduling/index-j.html
日本ビジネスコミュニケーション学会
http://www.decode.waseda.ac.jp/abcj/index-j.html


企画
科研費基盤研究(B)・課題番号:15H03226
研究題目:日本人英語学習者のインタラクション(相互行為)を通じた自律的相互学習プロセス解明
研究代表者:原田康也(早稲田大学)
科研費基盤研究(B)・課題番号:17H02249
研究題目:ICTによる観光資源開発支援:心理学的効果を応用した期待感向上
研究代表者:伊藤篤(宇都宮大学)
科研費基盤研究(C)・課題番号:16K02946
研究題目:英語コミュニケーションにおける統語的プライミングを利用した統語処理の自動化促進
研究代表者:森下美和(神戸学院大学)
科研費基盤研究(C)・課題番号:17K02987
研究題目:高度翻訳知識に基づく高品質言語サービスの研究
研究代表者:佐良木昌(明治大学)
科研費基盤研究(C)・課題番号18K00846
研究題目:雇用現場で求められる実用的英語スピーキング能力とは何か?:探索的研究
研究代表者:鍋井理沙(東海大学)
科研費基盤研究(C)・課題番号:18K11849
研究題目:ネット社会におけるインバウンド観光客・定住者を意識した文化伝達の言語表現
研究代表者:平松裕子(中央大学)


参加・発表申し込み
フォーム:https://forms.gle/F6P8rSE91o54vda36
上記フォームから参加者情報等をお知らせください。
発表者・連名者も、発表申し込みとは別途、参加申し込みをお願いします。


お知らせ・注意事項・お願い【2019年11月20日現在】
プログラムは現在も調整・修正中です。当日まで予告なく変更される場合があります。
会場案内:早稲田キャンパスへのアクセスにつきましては、以下の地図等をご参照ください。
http://www.waseda.jp/top/access
http://www.waseda.jp/top/access/waseda-campus
Google maps http://maps.google.co.jp/ にて【新宿区西早稲田1-6-1】を検索
Google maps: 早稲田駅から8号館まで


2019年12月15日(日曜日)は8号館が閉館となる可能性があります。閉館となっている場合は、南門からキャンパスに入ってすぐ左手の8号館のガラスの自動ドアの右手にガラスの引き戸がありますので、こちらから入館して、守衛に8号館3階会議室で開催の日研究会に参加する旨をお伝えください。
本研究集会は【子育て支援モード】で開催します。託児室などの用意はできませんが、乳幼児連れでの参加者・発表者を温かく迎え、見守るという方針にご理解・ご賛同いただければ幸いです。
気象状況・交通機関運行状況の影響なども含め、本研究集会の開催ならびにプログラムの詳細については予期せぬ変更の可能性が考えられます。

大学共通テストで英語の民間テストの導入が延期された。


このところ、大きな話題になっているのは、大学共通テストで英語の民間テストの導入が延期されたことである。延期は当然のことだと思う。現段階では受験生たちは英語に関しては、自分がどのように受験してゆくのかイメージがつかめないことだと思う。

7つの民間の英語試験として、英検、GTEC、ケンブリッジ英語検定、IELTS、TEAP、TOEIC、TOEFLと名前が挙がっていた。その中でも、TOEICは7月2日にこの民間英語試験に参加しないと表明したので、それ以降は、6つの民間の英語試験が手をあげていたことになる。

相互の点数の関連性をどうするかということだ。それぞれをCEFRの値に還元して比較するというのだが、それは可能なのか。ネットで見てみると換算表らしきものを見つけた。

http://eic.obunsha.co.jp/eic/pdf/kokushi/2018_cefr/A4_180413.pdf

英検で2630を取るとCEFRでC1と見なされる。この値はケンブリッジ英検で180に換算されるというのだ。

試験となったら、それぞれの民間テストのテスト自体の妥当性が問われる。次は民間テスト同士の換算の妥当性だ。そして民間のテストの採点の妥当性が問われる。

作られた問題は大丈夫か、互いの換算は大丈夫か、採点はしっかり大丈夫か。そして、事前に問題は漏れることはないのか。いずれも首をかしげることばかりだ。

センター入試は非常に厳格に運用されている。間違いはないか何度も何度もチェックがある。そしてちょっとしたミスで新聞で大きく報道される。入試監督も厳しいものである。5分ほど早めに終了したら大騒ぎになる。言ってみれば、電子時計レベルでの細かい運用がされている。

ところが、民間試験は、電子時計レベルの世界に、突然、日時計の世界を持ち込むようなものだ。どうしても、厳密さの基準が合いそうにもない。

私自身は共通テストのようなものは廃止すべきと思う。センター入試を維持するために膨大なコストがかかっている。もう、昔のように各大学で独自に行えばいいと思う。あるいは学部によって行えばいいかと思う。

英語学科でspeaking能力をもった生徒を必要としたら、その学科で責任を持ってspeakingの試験をすればいい。教員が総がかりでインタビュー試験をしても良いし、英検の2級を持っていたら、それを英語の試験に当てると判断しても良い。とにかく、各自に任せたらどうだろうか。

ただ、国立大学は日には決めていたが、それくらいは共通にしてもいいだろう。

 

論文の価値はgoogle が決めてくれる。

いろいろな論文がネットで読める。昔と比べるとネットに自分の論文を掲載することに躊躇う人は少なくなってきた。「自分のアイデアを盗まれるのでは」と心配する人もいるのだろうが、公表するということは、一番乗りを宣言することであり、むしろ必要なことであると思われる。

何かを知りたいときは、キーワードを入れて検索することが増えてきた。その時は、いろいろな論文が出てくる。最初のページに出てくる論文はやはり価値は高いのであろう。

これからの時代は、研究者の価値は、いかに多くトップページに出てくる論文をたくさん書くかによって決まっていくと思う。Google が決めるのだ。Google のアルゴリズムが各論文の評価を機械的に決めていく。その論文に対するアクセス数はどれ位か、被リンク数がどれ位あるか、リンクされている先はどれ位権威があるのか、などである。

トップページにある論文はたくさん読まれる。よって強い影響を与える。それによって多くの新しい論文で引用される。引用されることが多くなると、さらにアクセス数がふえる。その分野の研究者はその論文を読んでみようとする。いつの間にやらその論文に権威付けがされる。

現在は論文の価値は査読がある学会の紀要に掲載されたのかどうかがポイントなる。あるいは引用数がどれ位あるかも考慮されるようだ。

Simon / Pixabay

しかし、これからの時代はGoogle検索で何ページ目に現れるかがポイントになっていくだろう。教授昇格や新規採用などもトップページに来る論文を何本書いたかが審査の基準になってくると自分は予想する。

現代でもすでに採用の時は、採用審査の先生たちは応募者の名前を検索して、その人のホームページを見つけようとしている。独自のホームページがなくても、関連する情報を入手する。ホームページがあるならば、それを見て、その人の学問体系や発表した論文を見て、その人のイメージを掴もうとする。さらにはその人の論文のGoogle評価を調べる。

これからの若い研究者はgoogleを意識して、google 検索で第1ページに出てくるような論文を書くべきだと思う。また、できればホームページをきちんと作成して、自分を上手にアピールできるようにしておくといいだろうと思う。