2016-03-01
今日から3月であり、暦の上では春となる。しかし、今日は結構寒い。今、研究室の外を眺めると雪が舞っている。かと思うとお日様が顔を出したりと不安定な天候である。京都で、このように雪が降るのであるから、北海道などはさぞかし大変だろうと察せられる。
きょうは年金の話をしてみたい。ある学生から「年金の保険料は払った方がいいですか」、と質問された。学生も20歳になると国民年金を支払う義務が生じる。が払いたくないようだ。毎月、16,260円の国民年金保険料を支払うのは大変であるのはよく分かる。また、マスコミは次のように言っている。「保険料を払っても数十年後には年金制度は破綻しているから払っただけ損になる」「苦しくなったら、生活保護に頼ればいい」である。
そんなことを聞いて、その学生は「国民年金保険料を支払うのを馬鹿馬鹿しい」と考えたようだ。しかし、私の答えは「払った方がいい」である。老後はたとえ数万円でも定期的に年金が入るのはありがたい。これが無年金だと生存自体が脅かされる。貯金をして老後に備えるという人がいるがほとんど貯めることは難しい。急に必要なお金が出てきて、必ず取り崩すことになる。
その意味では、強制的に納める国民年金ならば、取り崩すことができないので、その時は苦労するかもしれないが、後になったら、その制度をありがたいと思うようになるであろう。
また、老後に困ったら生活保護と言うが、かなり審査は厳しいと聞く。国がこれから財政がますます苦しくなっていくのであり、生活保護はますます頼れなくなっていく。また、万が一怪我などで障害を持ってしまったら、国民年金保険料を支払っていれば、障害年金を受けることができる。これはありがたい制度である。
さらに、学生は学生納付特例制度があるので、猶予の申請をしていれば、その期間は25年間の受給資格期間(最低25年以上納めていないと国民年金は支払われない)に算入してくれる。
と言うような話しをして説得をする。でも、20歳前後の学生に40年後のことなど指摘しても「えー?」との反応しか返ってこない。自分も20歳前後の時は、年金などまったく眼中になかった。ただし会社員や教員を仕事に選んだので、源泉徴収という形で保険料が引かれていたのだ。おかげで65歳の誕生日を過ぎてから、国民年金をもらえるようになった。
数年前から年金の本を読んだりして知識を得るようにした。やはり、自分の事にならないと人間は真剣に勉強しない。年金制度が頻繁に変化するのでフォローするのが難しい。政府は年金制度を何とか続けていくために、いろいろと工夫をするのであり、制度改革を頻繁に行っている。年金の本を読んでも、難解な用語がでてきて、頭に入りずらい。しかし、大切なことだと思うので、何度も読んだりして頑張ってきた。
年金制度は、これは大切なことなので、高校生か大学生には一回学校で年金制度の意味を教える必要があるだろう。キャリアガイダンスの時にでも、その意味が理解できるように講演するのがいいだろう。
下の画像は研究室の外、雪が舞い散る校内である。
