このところ、朝は iPhone で Fox News Talk を聴きながら通勤している。けっこう楽しめる。私が聴く時間帯はThe Alan Colmes Show である。そしてアメリカ人の典型であるこの司会者の議論の仕方が参考になる。会話 (talk) ではなくてむしろ議論 (discussion, arguement)をしている。互いに容赦なく相手の議論の根拠の薄弱な点を叩き合う。議論の際の武器は事実と数字である。
Alan Colmes は非常な博識であり、特に現在のアメリカで問題になっている、illegan immigrant, gun control, same sex marriage, presidential election, religious problems などは事実関係や関連する数字をしっかりと把握している。そして頭の回転が速くて、すぐに相手の議論の弱点を見つける。例えば、ある視聴者がアメリカには3,500万人の不法移民がいるというと、その数字はどこから入手したのか、としつこく尋ねていく。その数字の信憑性を問うという方法だ。どうも3,500万人という数字は保守系の人々が大げさにするために勝手に広めた数字らしい。アメリカ人と議論するならば、数字はきちんと押さえていかなければならないと感じる。
そして、自分の信念は曲げないことが美徳だ、あるいは神に対する義務(アメリカ人はキリスト教を信じる人が多い)であると考える人が多い。今日の話は Kim Davis という市役所勤務の女性で、ゲイのカップルに結婚許可書を発行することを拒んだという理由で刑務所に送られた人のことであった。この女性は自分の宗教的な信念からこのカップルには結婚許可書の発行を拒否したのである。ケンタッキー州では同性カップルの結婚は認められている。それゆえに、法律に違反したという理由で投獄された。
今日の話は Mat Staver という彼女の弁護士とAlan Colmes との議論であった。religious freedom と法律との対立である。異なる文化圏で話題になっている問題はしばしば日本人にはわかりづらい。しかし、今日の議論は両者とも落ち着いて事実関係をクリアーにしようという態度が見られて聴いていて参考になった。
Fox Radio を昨晩聞いてた。すると、「女性が婚約を破棄した場合は婚約指輪 (engagement ring) を男性に返すべきかどうか」で議論が行われていた。女性は、ring は gift であるから所有権は自分に移った、という点を強調していた。男性は、ring は婚約の契約engagement contract 示すものであり、婚約が行われなくなったら、契約は無効になるのだから返却すべきと述べている。しかも、その指輪は1万ドル(約100万円)であり、自分は5年のローンで購入したのであり、まだローンが済んでいない、とも言っていた。しかし、女性は gift は gift であり、男性側の事情とは関係なく、自分の所有物になっている、と述べている。