世界には、様々な英語が話されている。英語を母語としている人びとに関して、大きく 「イギリス型」と「アメリ力型」の2種類に分けられる。それ以外にもオーストラリア英語なども日本にはよく知られている。これらの英語は「母語としての英語」(English as a Native English)として知られている。なお、現在はアメリカ英語の方がイギリス英語よりも優勢な英語として見なされている。これは100年ほど前までは、イギリス英語の方が権威ある言語と考えられていたことは興味深い。
英語は国際語(あるいは世界英語:World Englishes)として世界で広く使われるようになり、21世紀の現時点では、多くの人々が英語をコミュニケーションの手段として用いている。アメリカ、イギリスの植民地であった国の英語は、英語の母語話者が多い国の英語とは異なる、特に発音上では、かなり異なるのである。これらは「第2言語としての英語」(English as Second Language)と称せられている。
現在、英語を外国語として用いる人の数が増えている。私たちも将来、英語を用いるとしたら、母語話者以外の人と、「外国語として英語」(English as a Foreign Language)を用いてコミュニケーションを取っている。今後は、この「外国語としての英語」の重要性が増してゆくであろう。
そこでは、インド人はインド英語を話すし、フィリピン人はフィリピン英語を話す。そのように、日本人は日本人に特有の日本英語でよいと考えられる。
ただ、そこで生じる問題が「理解可能度」(intelligibility)である。あまりにも変異の度合いが大きくなると、互いに通じなくなるという懸念が生じる。しかし英語を第2言語または外国語として学ぶ人びとの多くは、特定の水準が強調される教育の場で学習することになっているので、一定の水準は担保されると思われる。
日本人が完全に英語母語話者と同じように話すことは不可能である。それでも、母語話者のように話したいと考えるならば、途方もない時間と財力を費やす必要がある。現実的な解決策としては、日本人特有の発音の特徴を残しながら、英語の母語話者や他地域の英語使用と「理解が可能である」英語を獲得すること、それが一番現実的な方法であろう。