外発的動機と内発的動機とは
外発的(外的)動機付けと内発的(内的)動機付けよい成績を取って親や先生からほめられたいと勉強するのは、外発的 (外的)動機付け(extrinsic motivation)によって勉強していると考えられる。一方、そのような外的な賞賛や何らかの物質的な報酬を得るためにではなく、学習そのものが面白い、あるいは学習の理解自体が目的で勉強するのは、内発的 (内的)動機付け(intrinsic motivation)によって勉強していると考えられる。
外発的動機を高める方法
外発的動機付けを高める方法としては、①報酬や罰を与えること、②競争意識をかき立てること(成績の順位を公表することなど)、③具体的な目標を与えること(例えば、今週末までに、単語を50個を覚えるという目標を与えること)、④フィードバックを与えること(例えば、教員からのコメントを与えること)などがある。しかし、不安が強くなり過ぎると逆効果となる。
内発的動機を高める方法
一方、内発的動機付けを高めるためには,①学習者の興味や関心を喚起すること、 ②授業で、「驚き」や「発見」などが生じるようにして知的好奇心を刺激すること、③例題などを 通して部分的に成就感を味あわせ(a sense of achievement)こと、などが挙げられる。なお、内発的動機づけの概念を発展させたものとして、自己決定理論(self-determination theory)がある。
自己決定理論とは、他人(親、教師、上司など)に指摘されて行動する(非自己決定)ところから、自発的に行動する(自己決定)ようになることを概念化したものである。
どちらの動機がいいのか
教室においては、学習者が自ら、英語を理解したい、学習したいという内発的動機付けがより重視されている。これは、外発的動機付けは、環境が変わると学習に意欲を 示さなくなる可能性がある。さらに、学習者が報酬や罰にばかり関心が向かうと、不正が生じることがある。
ただし、外発的動機 付けをすべて排除することは現実的ではない。さらには、まずはどんな動機付 けによるものであれ、英語を学ぶ機会を与えることで、それが内発的動機付けに発展する可能性があるからだ。