スピーキング活動は、二つに分けられる。モノローグ形式 とダイアローグ形式がある。

(1)モノローグ形式のスピーキング活動

モノローグ形式は、通常1人の話し手が複数の聞き手に対して発話する活動であり、public speaking であり、1方向のスピーキング活動である。

スピーチ

まとまった内容を人前で話す活動である。事前に原稿を書き、話す内容を暗唱したり、要点を書いたメモを準備する場合と、原稿を準備せずに、自分の持ち駒を駆使して、即興で話す場合がある。聴き手に伝わりやすいように、声の抑揚、身振り、アイコンタクトなども大切である。

プレゼンテーション

聴き手に対して情報や提案などを分かりやすく提示して説明する活動である。1人またはグループで行います。内容はスピーチと似ているが、プレゼンテーンョンでは相手に対する説明・説得という要素が強まる。
様々な資料を提示したり、学習者が調べた内容に基づいてスライド、PowerPointを準備することもある。

(2)ダイアローグ形式(インタラクティヴ)のスピーキング活動

ダイアローグ形式では、2人以上の話し手がお互いに意味のやり取りをしながら進めていく。意味のやり取りの過程で、お互いに意味交渉を行うのである。

ロール・プレイ

学習者に役割を演じさせて、目標言語を現実に即した設定で使用する機会を与える活動である。例えば、買い物の場面を設定して、一人は店員役を担い、もう一人は顧客役を担うのである。参考にするのは、教科書の英文を利用して暗記した対話を練する活動や、暗記した対話にオリジナルの会話を付け加える活動、教員から何か場面設定と解決すべきタスクを与えられ学習者自身が役割と展開を考えていく活動、例えば、500円しか持ってなくて、今晩の献立を考えながら買い物をするタスクなどである。

インフォメーション・ギャップ活動

通常のコミュニケーションの場面では、話し手と聴き手の間に情報の差があり、その差を埋めるためにやり取りを行う。そのような場面を設定して、ペアあるいはインタビュー活動を行う。例えば、お互いのスケジュールが分からない状況を設定し、空いている日時を聞きあうことで、会う曰を決めるなどの活動がある。

タスク活動

話し手と聴き手の間にインフォメーション・ギャップがある設定において、ある課題(タスク)について結論を出したり、解決策を見つけるために、 コミュニケーションを行う活動がある。対話者どうしで自然にインタラクションが生じる場面設定を行い、意味のやり取りが中心であることに留意する。

スキット、ドラマ

スキット(寸劇)は、実際の言語使用場面に即して、学習者の創作により演じさせる活動である。教科書で学習した英語表現を活用して、表現力を磨いたり、即興性の訓練をすることができる。ー方、ドラマ(劇)はスキッ卜よりは長く、台本を書いて演じる活動であり、準備に時間が必要である。台本づくり、役割分担、音声面および表現の練習、上演という手順を踏む。英語部などで演劇を行うときに最適の活動である。

ディべー卜

ある議題に対して肯定側と否定側に分かれて、論点を立証し聴衆を説得する対立型の議論である。司会者の指示に従って討議を進め、聴衆がそれぞれの側の内容や説得力を評価し、勝敗を決める。事前にテーマについて 準備を行いますが、表現能力や発表能力だけでなく、分析力、論理力、批判的な思考力も育成できる。

ディスカッション

あるテーマやトピックに対して、意見交換や方針決定のために行われる活動である。例えば、ポスト・リーディング活動において、教科書で扱ったテキストの内容について、話し合うことができる。3人以上のグループ・ディスカッションの場合は、リーダー、タイムキーパーなどの役割を決め、リーダーの指示のもとに、全員が自分の意見を話す機会が確保できる。

その他

レシテーション

リプロダクションともいい、文章を暗記させ内容を口頭で再生させる 活動である。活動の目的は、書かれている内容を理解して、その内容を表現することである。シャドーイングなどを通して音声面に注意させ、音声の記憶を残した後に、レシテーション活動を行うこともできる。

リテリング

レシテーションのー種ですが、テキストの文言通りでなく、自分の言葉を使って口頭で再生します。自分の言葉で、問いたり読んだりした物語を 聞き手に語る場合は、ストーリー・テリングと呼ばれます。手がかりとな るキーワード、イラスト、写真などを与える方法もある。