一昨日、岐阜駅で女性が電車を待っていた。その服の背中に、Né sous une bonne étoile と書いてあった。「幸運な星のもとに生まれて」という意味のフランス語である。この女性はとくに文字の意味には関心はないと思われる。外国語の文字はデザイン的な意味しか持たない。「幸運な星の下に生まれて」という言葉は西洋の星占いに基づく成句であろう。でも、こんな縁起のいい文字が印字されている服を着ることで彼女も幸運にあずかれる可能性が高まるであろう。

ところで、日本でもこの「幸運の星の下で」と言い方はよく目にする。そんな文章を目にすると、ちょっとハイカラな感じがする。(ハイカラという言葉は最近は使わないかな?死語かな)

英語でこれに該当するのは、be born with a silver spoon in one’s mouth になるかな。でもこれは「金持ちの家に生まれて」という意味だから完全に一致はしない。born under a lucky star という成句があるので、こちらが適訳となるだろう。ところで、英語では、逆の意味の born under an unlucky star という表現があるのだ。フランス語でも対応するNé sous une mauvaise étoile. という表現はあるのかと思ってグーグルで調べると、Le funeste destin des Baudelaire : #1 Nés sous une mauvaise étoile という本の宣伝をアマゾンがしていた。ボードレールの人生は悲惨な人生だったのか?私はこの詩人の人生を知らないが、有名な詩をたくさん書いたので、さぞかし稼いだと思うのだが、それは間違いなのか。