ドラマ・メソツド(Drama Method)とは何か。
ドラマ(演劇)を利用して外国語を教える教授法である。これはmethod と言われるが、method よりも具体的であり、厳密にはtechnique であると考えてもいいだろう。
ドラマは言葉とそれに伴う演技による表現で成り立っている。その特性を活かして、言語表現を使う状況を疑似体験(対話文をキャッチボールのように訓練)しながら、実際に表現練習することで、目標活動の活性化を行う。
種類
ドラマの種類 としては以下のような形が考えられる。それぞれが互いに重なり合うので特に分類にこだわる必要はない。大枠を示すという理解でいいだろう。
(1)寸劇(skit):教師が台本を書く、あるいは生徒が台本を書いて演技をする。
(2)即興劇(impromptu drama, improvisation):ここでは事前には大枠だけ決めて、即興で劇を演じる。英語力の高い生徒の場合に有効であるが、まだ英語力に自信がない生徒の場合は事前に台本があった方がいい。
(3)ロール・プレイ(role play):道に迷った外国人とそれを助ける日本人などの役を行う。事前に台本を書いても、即興で行ってもよい。
(4)シユミレ一シヨン(simulation):上記のロール・プレイとも重なる。例えば、海外旅行関連では、入国審査やホテルのチェックイン、レストランやショッピングなどの場面を想定する。ロール・プレイで演技するとよい。
これらの教授法には、場面中心教授法、ダイレクト・メソッドやトータル・フィジカル・レスポンス等の要素が含まれる。
英語部の演劇
私は高校の英語部の顧問をしていたときに、その部が演劇大会に参加したことがある。『耳なし法一』(Hoichi the Earless)である。一時間ほどの長い劇にして、まず日本語で登場人物やその台詞を考えた。それからその台詞を英語に直していった。英語部の劇であるから、一人の人物に台詞が片寄らないように気をつけながら、指導を行っていった。生徒達は、舞台背景の設置、衣装、そして演技指導など楽しく行えた。英語の台詞は何回もおこなって暗記できるように、そしてその際の身体の動きなども工夫した。大会では入賞はできなかったが、楽しく英語を学べた。